
見た目の違い
私はみかんが大好きです。
冬になると、祖父が箱でみかんを買ってきてくれました。グレードやサイズに分けて売られているのですが、いつも「秀」という高いグレードの小ぶりなSサイズを集めた箱でした。
そんな中にも、皮表面に黒点がたくさんついているものがあります。見た目の綺麗さは多少劣りますが、農薬の使用量が少ないとも考えられ、中身はむしろ美味しかったりもします。
今では、その中でも皮が薄いものとか、浮いていないものとか、なんとなく美味しいものがどれかわかるようになってきましたが、幼い頃は少しでも見た目が美しく、大きいものから選んで食べたものです。
みかんを食べながら、先日読んだ本にあった木材のことを考えました。
日本人は木目など見た目の完璧なものにこだわる特性が強い、といった内容です。時代の流れの中で、そのような感覚は弱まってきている気もしますが、見た目の美しさに関して、海外では少しグレードが下がったものも愛されたり、ラフな印象が好まれたりするけれども、日本では最上級のものばかり好まれる傾向があるといいます。
海外では、製材として扱っても人気なクオリティの木材を、加工材に用いる場合も比較的多いようです。
他と比較する際、みかんにとって一番大事なのは中身の味、木材は見た目となるため、全く同じ話とはいきません。でも、なんでも完璧な見た目が大事なのではなくて、どうして起きた、どのような違いなのかをきちんと知り、その上で愛せるか、自分に合っているかどうかを考えることが大事なのかもしれないと感じました。
Atsuko.O