椅子のある空間

椅子のある空間

今北欧デザインの本を読んでいます。

 

感じたことは、様々なデザイナーや建築家が椅子のデザインを行っていて、時代背景やそれぞれの考え方など、デザインした人間のすべてがつぎ込まれているということです。
それを知って、椅子が人々の生活の中で大きな役割を担う大切な家具であることに気がつきました。デザイナーがすべてを込めてデザインし、職人の手によって丁寧に作り上げられた椅子は、独特の存在感を放ったり、デザイナーの意図通り生活に馴染んだりしながら、それぞれの空間に入り込んできます。
 
私はこれまであまり特別な椅子に馴染みのない生活を送ってきました。ダイニングテーブルとセットの見た目重視の椅子、勉強机の付属品のようなプラスチック製の回転学習椅子を使うくらい。引っ越しを済まして新生活が始まった今、改めて私自身の生活にぴったりの椅子を取り入れたいと考えはじめています。
 
名作椅子といわれるものを選ぶかどうかは迷いどころです。それらはデザイン、品質共に評価が高く、心が動かされるストーリーを持つ椅子ばかりで、とても心ときめきます。
でも、自分にとってそれが一番適切かどうか。海外の有名デザイナーの椅子は、小柄な日本人である私の体に合うように思えないからです。これから生活を共にする椅子は、寛ぐためのソファやイージーチェアではなく、テーブルと合わせて食事をしたり何か作業をしたりする時にも使いたい為、自分の体に合ったサイズ感も大事にしたい。そのテーブルに収まるような形、寸法であることも譲れません。
部屋に馴染むナチュラルな雰囲気、ぽってりよりもすっきりとした印象のもの、木部だけでなく張地の交換などお手入れ可能で長く使えるものなど、思い浮かべると希望が沢山出てきます。
 
朝起きた時、食事の時、本を読む時、テレビを見る時、帰ってきた時、家で過ごす時間にはついそこに座ってしまうような椅子。愛着と外観、機能がつまった希望を叶える素敵な椅子。たくさん種類のある中から、そんなお気に入りの1脚を迎え入れられるよう探していきたいと思います。
 
Atsuko.O