樹種の選び方 レッドオーク

樹種の選び方 レッドオーク

以前の記事「テーブルの天板に使われる木材」でもさらりと触れていますが、レッドオークという樹種について、詳しくご紹介します。

 

オークとは

特にヨーロッパでは古くから馴染み深い家具用材で、木の王様ともいわれています。
・ヨーロピアンオーク(別名:イングリッシュオーク)
・ホワイトオーク (別名:アメリカンホワイトオーク)
・レッドオーク(別名:ノーザンレッドオーク、サザンレッドオーク、アメリカンレッドオーク)
などの ブナ科コナラ属の広葉樹(環孔材)を指し、国産のナラ材に代わって使用量が増えています。
 
WELLでは、より深みのある色を持つレッドオークの取り扱いがあります。
 
 

特性

レッドオークは、赤みを帯びた明るい褐色をしています。心材と辺材の境界ははっきりとはなくホワイトオーク やヨーロピアンオークに比べて深みある色をしているのが特徴的です(辺材と心材について:「無垢材のダイニングテーブル」)

  

模様

レッドオークは他のオーク類と比べ、模様や放射組織による杢が少ない樹種です。木理は個体差がありますが、比較的通直な木理を持ちます(木目について:『木製家具の木目による個性の違い』)

柾目木取りの材面に放射組織の杢がごくまれに出現しますが、他のオーク類のように目立ちません(板目と柾目について:「無垢材のダイニングテーブル」)

  

オークはアッシュと同様に環孔材です。レッドオークは他のオーク材と同じく中庸から粗といえる肌目を持ち、木口に放射組織が目立ち導管が大きいため、少し凹凸を感じるような触感で、模様もはっきりと見える印象を受けます(環孔材と散孔材について:『無垢材のダイニングテーブル』)。

  

硬度や強度

強度はホワイトオークには劣りますが、長く使う椅子として硬度や重さと共に十分にあります。

 

  

用途

オーク材として家具やフローリング、建築材など様々な用途で使用されます。ホワイトオークとは異なり、導管をふさぐチロースという組織が発達していないため、ウイスキーの樽には用いられません。

 

 

ホワイトオークに比べ、暴れがあったり乾燥が難しいなどの理由から作り手の加工は多少難しくなりますが、切削性が高く椅子に向いた材として、職人が美しく仕上げます。

オーク材が持つ木材らしい雰囲気を持ちながらも、繊細な赤みのある色味が楽しめる樹種です。 

  

参考文献
『The Wood Handbook 木材活用ハンドブック』ニックギブス, ガイアブックス
『【原色】木材加工面がわかる樹種辞典』河村寿昌/西川栄明, 誠文堂新光社
『美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン』えい文庫