【ウェビナー対談】Flower on The Table 〜テーブルの上からひろがる花や植物の楽しみ方〜
人それぞれのWELLを楽しむ時代へ。
世の中の環境や価値観の変容を受け一人一人のライフスタイルが多様に変化していくなかで、これからの時代におけるお花や植物との付き合い方・楽しみ方について、フワラーカンパーニーBOTANIC代表の上甲さんをお呼びしお話を伺いました。
WELLディレクター村上雄一との対談形式で、お花の楽しみ方から生産者さんとの関係性、BOTANICさんが行っているサブスクリプションサービスの取り組みなどについて伺っています。
Botanicのご紹介
村上:
まずは初めに、会社のBOTANICのご紹介をいただければと思います。
上甲:
はい。BOTANIC、フラワーカンパニーと呼んでおりまして、花屋を都内に3店舗、お店を構えて、お店で売りながら、あとは塗装のお仕事をやらせていただいたり。
あとは植物を販売したり、一般的なお花屋さんの活動もしております。
ミッションとして、業界を良くしたいという想いを持って立ち上げた会社になります。
例えば、サブスクリプションのサービスであったり、オンラインの花のブランドであったり、そういった既存のお花屋さんにプラスアルファして、新しい取り組みを積極的にしているところが特徴かなと思います。
花や植物の楽しみ方
村上:
コロナの影響もあって、ご自宅、家にいる時間がすごく伸びたのかなと思います。
家にいる時間が長くなった分、ストレスがたまりやすいというか、閉塞感があるというか。
そんな中で、育てる楽しみがある植物なんかが家に入ってくると、そういったところも緩和されるというか、そういった方がすごく増えてるのかなと思います。
お花に慣れ親しんでる人は、その辺りもうお分かりかと思うんですけれども、興味があるけれど、どっから手付けていいか分からない方が結構いらっしゃると思うんですね。
その辺りを、お花屋さんの立場からアドバイスいただけるとうれしいです。
上甲:
ご自宅にお花など植物を飾る方が増えたと思うんですけど、楽しみ方って、本当自由だと思っているので、僕らとしては気軽にまず1輪買っていただきたいなと思っています。
駅前のお花屋さんでもいいですし、ご自宅近くの小さなお花屋さんでまず1輪買っていただいて、花瓶も全然高いものである必要はなくて、ご自宅にあるコップとか何でも、お花に水を入れられるものだったらいいと思うので、そういったものにまず1輪飾っていただけると、すごくうれしいなと思っていますね。
村上:
都内だと最寄りの駅にお花屋さんが大体あるし、特に青山とか中目黒みたいな所に行けば、それこそ何件も素敵なお花屋さんがあると思うんですけれども、BOTANICさんはそういった場所に住んでいらっしゃらない方々に向けてのサービスも行ってると思います。その辺りのお話もお聞かせいただけますか。
上甲:
まさに、近くにお花屋さんがない方や、あとは、日頃忙しくてお花屋さんに寄る時間がない方などに向けて、サブスクリプションのサービスをしていますね。
こちらは月に1回、3000円でお花をお送りするサービスなんですけども、ご自宅でもアレンジしやすいといいますか、「そのままでも飾れます」というコンセプトを作って、毎月いいお花をお選びして、お届けするということをやっていて。
それをきっかけに、町のお花屋さんに行く機会をつくっていただいたり、よりお花を送るみたいなところにも興味持ってもらえたらと思っていますね。
上甲:
僕らは、3年以上前からサブスクの取り組みを始めていて。
その想いとしては、花のある暮らしの良さだったり、実は生産者さんがいて、その方がすごく丹精込めたり、いろいろと工夫をしていいものを作っていたりするっていう現状があることを知っていただいて、
よりお花に愛着であったり、花のある暮らしの良さを深く知っていただきたいなって想いを持っています。
そこが、僕らが他のサービスと違った角度で取り組んでいることかなと思っていますね。
花や植物をつくる人
村上:
上甲さんとお話をしてて、結構生産者さんによく足を運んだり、生産者さんとお話をしていく中でセレクトしたりみたいなところがあるのかなと思ってて。
その辺りの生産者さんとの関係性や、どのように関係性を築いてきたのかをお聞かせいただけますか。
上甲:
生産者さんに目を向けているところでいうと、一つは、いいものをちゃんと理解した上で流通させたいって想いがあるというところで、生産者さんの想いや、品質へのこだわりといったものをきちっと理解してそれをご紹介するというところです。
もう一つは、生産者さんもどういうものを作ればいいのかだとか、消費者さんのニーズって手探りのまま作ってる現状も、正直あったりはすると思っていまして。
そういうところは、私たちがお客さまと日々接する中で、こういったニーズがあるかもしれないみたいなところの情報交換といいますか。
そういう、業界を一体になって良くするっていうところでも、生産者さんに足を運ぶようにしていますね。
村上:
お花屋さんって、大きな市場があるというのは知っていて、大体そういう所で仕入れてるのかなっていう認識があって。
生産者さんの所に足を運ぶって非効率な部分もあるのかなっていうところもあるんですけども、でもBOTANICさんは10年ぐらい前に立ち上がったときから、その辺りを大切にしてきてるのかなと感じてて。
その非効率さと、行く意味みたいな。その辺りのバランスって、どんな感じなんだろう。使命みたいな感じなんですかね。
上甲:
そうですね。行かなくても流通はできるので、行く必要は短期的にはないかなとも思う一方で、生産者さんも人ですし、そういう人と人とのつながりでいいもの出してもらえたりっていうのもありますし。
あとは、実際の物とか生産されている現場を見ないと、なんでこの物がいいのかっていうのをお客さまにも伝えれないですし。
僕らも理解した状態で売らないと、そのストーリーっていうのは伝えづらいかなと思っているので、そういう意味では行く意味はすごくあると思ってますね。
村上:
私もお花屋さん好きなんで、妻と一緒に行ったりするんですけれども、直感で、大体、これがいいかなとかって決めること多いんですが、
お花屋さんから見ていい花とか、悪いお花とかってあるんですか。
上甲:
いい花、見分け方も、花によって本当に違ってくるとは思うんですけども、でも糖分が詰まってることが大事。
村上:
糖分ですか。
上甲:
糖分が詰まってることが大事なんです。
例えば、茎がしっかりしているだとか、花がしっかり、ふにゃふにゃしてないだとか、そういうところでは少し見分けれたりはするのかなとは思いますね。
でも、エネルギッシュなお花っていうのは品質がいいのかなとは思いますね。
村上:
初めて糖分って聞きましたね、お花で。フルーツみたい。面白いですね。
上甲:
フルーツと近い発想だと思いますね。
村上:
お客さんの声とかって、すごい、喜びの声じゃないですけれども、メールで来たりとか、なんかメッセージ来たりするんですか。
上甲:
はい。まずお花の産地さんとか、いいお花みたいな観点って、あまり皆さん持っていなくて、お花屋さんに行ってもどちらかというと色や形で選ばれて、物がいいかとか、ここで作られてるってほとんど気にされずに、皆さん購入されると思うんですけど。
僕らはそうじゃなくて、このお花はここで採れて、なぜならこういうところがいいからみたいなところの説明だったり。
あと品種は自分で作られている産地さんとかもいらっしゃるので、そうすると、ここでしかないお花ですという説明ができるので、そういったストーリーも沿えて売っている、お客さんに使っていただいてるっていうところは、すごく反響としてはいいのかなとは思ってますね。
村上:
確かに、お花買うときに産地さんのことってほとんど想像してないというか。食べ物だと、どこで採れたのかとかっていう観点で見られるようになってきてると思うんですけど、その発想って意外にありそうでなかったですね。
花や植物とこれから
村上:
2020年ってすごく変化の年だったのかなっていう中で、これから花と植物の関わり方みたいなところで、何となくこういうふうに変化していくんじゃないかなとか。それに対して、BOTANICさんとしてどういう試みをしようとしてるのかなどあれば、教えていただけますか。
上甲:
まさにこの1年、よりそれがスピード上がったかなと思うんですけど、お花とか、植物みたいな自然のものを楽しむカルチャーみたいなものって、結構カルチャーの中でも行き着くところと思っていてですね。
皆さん、ファッションとか、映画とか、コーヒーとかもそうですけど、そういったところをカルチャーって捉えがちなんですけど、花・植物もカルチャーの一つで。
感度高い方は、皆さん花とか植物に行き着いてるなっていう感覚も私はあるので、感性価値商材じゃないんですけど、そういった、必要とは限らないんだけども、あるといいみたいなものの究極が花、植物みたいなところは、今後こういった世の中で着目されてくるのかなとは思ってたりはしますね。
村上:
お花って枯れちゃうっていう、消えてなくなっちゃう、コーヒーとかもそうだと思うんですけれども、なくても生きてはいけるんだけれども、あるとよりいっそう豊かになるっていうのはありますよね。
上甲:
そうですね。本当に、まず1輪飾っていただきたいです。
飾るだけでお部屋が明るくなりますし、実際脳内の幸福物質が出るっていうデータもあったりします。
一度飾ってみて、お花がなくなると実は寂しい感じになるんですけど、それが習慣化されるとお花がなくてはならないっていうふうにもなる気もしていまして。
そういった方が増えると、すごい豊かになってくるのかなと思ってたりはしますね。
村上:
そろそろ時間なんですけれども、上甲さん、何か伝えておきたいことありますか。他の花屋とは違うぞとか。
上甲:
そうですね。僕らは色々、テクノロジーとか新しいことをやってるってイメージのお話をしましたけども、花屋の基本は忘れちゃいけないなと思ってはいます。
スタッフにも、花屋として身に付けるスキルというところは、本当に他の花屋にも負けないように伝えるようにはしていますし、あとは、オンラインのサービスをやる上でも、優秀なフローリストが才能を発揮して、デザイン、アートのところで伸び伸びやっているものをオンラインのサービスにも反映できるような組織っていうのが、本当は花屋のあるべき姿なのかなと思ってまして。
なので、もちろん新しい取り組みをするんですけども、一方でデザイン性だとかアート性みたいなところもしっかり失わないようにやっていきたいなというふうに思ってますね。
村上:
本当に、私、持ち上げるわけじゃないんですけども、BOTANICさんが運営されてるイクスっていうお花屋さん、本当センスいいので、皆さん、機会あったらぜひ行ってほしいんですけれども。
今、店舗が中目黒と代々木上原と蔵前にあります。なので、ご興味あればホームページをご覧になっていただければと思います。
上甲:
ぜひ。
村上:
また、WELLでは今回こういったFlower on the Tableという形でイベントをやってるんですが、今後、on the tableっていうことで、第1弾がカスタムオーダーできるテーブルっていうこともあって、
さらにいうと、今家の中の中心の場所になってるのがダイニングテーブルなのかなっていうふうに考えてまして、そのダイニングテーブルで楽しめる活動だったりとか、ものだったりとかっていう、いろんな視点で今後もイベントをやっていく予定ですので、その辺りも楽しみにしていただければと思います。
出演:
BOTANIC代表 上甲友規
WELLディレクター 村上雄一