北欧発デザインの椅子 ハンスJ・ウェグナー
チャイニーズチェア
ザ・チェア
Yチェア
スゥイベルチェア
ウインザーチェア
ウインザーチェアとは、17世紀に農民が自ら作った日用品としての椅子を原点とした、丈夫で無駄がない実用的なデザインの椅子です。製造に関しては、1脚の椅子でも外枠、スポーク、座、脚と分業によって作られていたのが特徴的で、近代の椅子づくりの分業生産体制始まりともいえます。コーア・
ピーコックチェア
1947PPモブラー社 / PP-550
アッシュ
ピーコックチェアは、クジャクが羽を広げた姿に似ていることから名づけられた。装飾的な意味だけでなく、背中のあたりを良くしたいというウェグナーの想いから、スピンドルの一部が幅広にデザインされている。その形状から「アローチェア」とも呼ばれる。放射線状に配置されたスピンドルの上端を大きく湾曲した曲木が支える形は、従来のウインザーチェアのイメージから飛躍しており、当時のデンマークモダン家具デザインの象徴的な存在となった。
サークルチェア
1986 PPモブラー社 / PP-130
アッシュ・ファブリック
ヨット用のロープを用い、放射線状に広がったデザイン。座り心地を考慮し、結び目ではなく金具をで処理している。
イージーチェア
イージーチェアは、ゆったりとしたサイズ感で一人の時間を寛ぐための一人掛けの椅子のことをいいます。ウェグナーはこのタイプの椅子も数多く手がけており、イギリス様式を取り入れたものやシェーカー様式を取り入れたものなど様々です。チャイナチェア系のようにウェグナー独自の作風はここでは見られず、様々な作風から自分に合ったものはどれなのか、どこにリ・デザインの余地があるのかなどを検討していたように感じ取れます。
ドルフィンチェア
1950 ヨハネス・ハンセン社 / proto type
オーク+籐張り
座面がそのまま後脚となり、さらに肘掛けに繋がるデザイン。座面の延長上に後脚があるために、体を椅子に預けるような姿勢になる。ウェグナーの初期デザインには、ドルフィンチェアのように折り畳みも可能なものが多い。製造はされず、プロトタイプに終わった。
フォールディングチェア
1949 ヨハネス・ハンセン社 / JH-512
オーク+籐張り
折りたたんで持ち運びしやすいよう、持ち手がついている。座面下にはフックのついた壁に掛けられる溝がデザインされている。
ベアチェア
1960 A.P.ストーレン社 / AP-69
スチールレッグ+レザー
ウェグナーは大きな椅子も作っている。不規則で有機的な形が、生命を感じさせる。大きく太いアームや突き出したヘッドでどんな姿勢にも対応し、しっかりと受け止められるようなデザイン。
スリーレッグド シェルチェア
1963 カール・ハンセン&サン社 / CH-07
ビーチ+ファブリック
当時の新素材、プライウッドを用いたイージーチェア。積層合板の豊かな曲線のシェル構造が美しい。
フラッグハリヤード チェア
1950 PPモブラー社 / PP-225
スチール+シープスキン+レザー
ウェグナーは木製の椅子で有名だが、スチールを使用したものも発表している。木よりも比較的自由な素材であるため、木製の椅子とはまた違ったデザインとなっている。人肌が触れる部分は、レザーや紐などの天然素材を用いるこだわりも見られる。フラッグハリヤード チェアもその一つで、異素材同士が美しく調和されている。
バレーチェア
1953 PPモブラー社 / PP-250
オーク
ウェグナーは3本脚の椅子を美しくデザインしている。バランスよく立つ4本脚と比較すると、狭い場所や凹凸のある地面の上などの不安定な場所に適している。バレーチェアは前脚が2本、後脚が1本のタイプで、背はハンガーに、座面は立てるとスラックス掛けになる。また、座面下には小物入れがあり、ウェグナーのユーモアあふれるデザインである。
当時のデンマーク国王は、手元に届くまで2年間待っても構わないと気に入り注文したというエピソードもある。
ウェグナーは生活に密接な使用者のことを考えた、様々なジャンルの椅子を手掛けていたのですね。どれも温かみのあるこだわりがみられ、今も愛される理由の一つとなっていることがわかりました。
参考文献『美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン』えい文庫『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史: なぜ北欧のデンマークから数々の名作が生まれたのか』誠文堂新光社『ストーリーのある50の名作椅子案内』スペースシャワーネットワーク