空間や目的に合わせて製作される、 造作家具とオーダー家具
家具は、室内に備えて使用される道具であり、人の体を支える、作業の場を与える、物を収納したりする機能を持っています。今回は、既製品として売られているものでは無く、空間や目的に合わせて製作される家具に焦点を当てて、暮らしていく中でのその長所や短所などについて記します。
造作家具とは
部屋の広さ、形や目的に合わせて製作される家具のうち、建築と一体化し移動できない家具のことを、造作家具(作りつけ家具)といいます。
一般的に造作家具を取り扱うのは、新築のタイミングでの工務店や建築設計事務所、ハウスメーカー、またリフォーム会社です。造り付けであるために、家具メーカーやインテリアショップよりも、建物を専門とするところが請け負うのが一般的です。建物や空間のプロとして、提案やアドバイスをくれる場合もあります。
造作家具は大きく2種類に分類できます。
1つ目は設置する物件内の現場で作る、大工による造作です。その場で大工が作るため、その部屋にあった寸法、色味などの微調整を行える良さがあります。また、材の状態で運べるため、運送費用が抑えられるというようなコスト上の利点もあります。
2つ目は家具を工場で作ってから、建物内に取り付ける家具造作です。緻密な家具になってくると、その作業を行える設備の整った環境が必要です。こちらの方法であれば、精度の高い家具の製造が可能ですが、コストや、現場への運送後の寸法や空間のイメージと異なる可能性などは注意しなければなりません。
オーダー家具との違い
オーダー家具も、既製品ではない、お客様の要望に合わせて発注・製作された家具です。最も大きな違いとしては、建築と一体化していない点が挙げられます。それによって、家具を専門とする家具メーカーが製作するのが一般的となります。空間のスペシャリストよりも、家具という物のスペシャリストが携わるのですね。
また、きちんと寸法や空間とのコーディネート、自分の生活においての使い勝手を考えた上で作られた造作家具であっても、ライフステージの変化などで空間の使い方を変えたいときに対応しづらい場合があります。変化に対応しやすいのはオーダー家具、背の高い家具でも固定されているために安定感があり、地震などにも安心なのは造作家具だといえます。
家具を作るタイミングや、今後の生活における計画、コスト面など、検討した上で自分に合った方法を選択できるといいですね。