ソファ生地選びで叶える、イメージにぴったりの部屋の雰囲気づくり
ソファ選びをする中で、どんな生地が自分に合うのだろうと悩んだりしませんか。
素材では、レザー、合成皮革、ファブリック系とあり、色、手触り、柔らかさなど、こだわりだすとキリがありません。
ソファ生地は、人間の五感のうち視覚・触覚・嗅覚に関わる重要なパーツです。高い買い物になりますし、長く使うためにもメンテナンスのしやすさの影響が大きいため、慎重に選びたいものです。
この記事では、ソファにおける生地の種類と特徴をご紹介します。イメージにぴったりのソファを選ぶ方法を解説します。
まずは、知識を身につけて、ソファ選びに活かしましょう。
種類と特徴を知って、暮らしに合うソファの張り地選び
ソファのような大型家具は、お部屋の印象を左右します。どんな生地を張り地に選ぶかによって、ソファが見せる表情は変わります。
生活の中で頻繁に触れる物でもあるので、インテリアとしての雰囲気づくりだけではなく、用途や使い勝手にも注目して選ぶことを意識しましょう。
ソファを選ぶ際には、必ず10分以上は座って居心地を体感するよう推奨されており、座り心地も重要な要素と言えます。
お部屋のテイストに馴染み、暮らしのイメージに合うソファの張り地を選ぶために、生地の種類と特徴を知っておくことをおすすめします。
長く使えて、高級感をもたらすソファの張り地
ソファはお値段が張るため、長く使いたいと思われる方が多いです。自宅の顔となる上等なソファを大切に使いながら一緒に年を重ねていくのも素敵ですよね。
とは言え、飾っておくだけとはいかないのがソファの難しいところです。そこで、使用感も楽しみながら、年々愛着が増すような張り地をご紹介します。
本革(レザー)
動物の皮で作られた革を本革と言います。ソファに最も多く使われるのは牛革です。なめし方によって表情が異なるので、希望する質感にこだわることもできます。
使い込むと色艶や風合いが出てくるだけではなく、柔らかく馴染んで体にフィットしてくるのが本革の特徴です。
本物の革の高級感は、経年変化によって増していきます。使用感が味わいに変わるため長く使えるんですね。吸湿性や放湿性もあり、滑らかな触り心地も魅力です。好き嫌いは分かれますが、お好きな方は本革ならではの革の匂いも楽しめるでしょう。
伸縮性があり丈夫な素材ですが、水分に弱いのでお手入れの際には注意が必要です。汚れた場合は、硬く絞った布で拭きます。頑固な汚れは、レザークリーナーを使いましょう。定期的に保湿クリームでお手入れすると長く綺麗に使えます。
しっかりお手入れを続けて大切に使うと、まさに一生もののソファになるかもしれません。
ベルベット
ベルベットは、別名ビロードとも呼ばれるパイル織物で、一般的にシルクやレーヨンの糸を使用します。最近ではコットンやポリエステルが使われる場合もあるようです。
美しい光沢を持ち、ラグジュアリーで重厚感のある見た目が魅力です。高級家具や高級ホテルのラウンジなどの内装によく使用されています。
生地が動くと陰影が生まれ独特の立体感が出るのも特徴的で、シックな雰囲気を装うのにぴったりです。毛羽の感触が柔らかく、高い保温性があります。
生地に厚みがあり、摩擦に強く、使い込むと色味がゆっくりと変化し風合いが出てくる素材なので、長く愛用できそうですね。
水に濡れると表面の毛羽が寝てしまうため、水分が付着した場合はすぐに乾いた布で軽く叩くように拭き取ります。汚れはブラッシングで落とすのが基本です。
お手入れの方法を知っておくことで、それが苦になるか、ならないかも選定基準の要素といえますね。
種類豊富なファブリック (= 布製の生地)
素材の豊富さが魅力のファブリックについて、天然素材と合成繊維の二つに分けてご紹介します。
ファブリックのメリットであるクリーニングしやすい・気軽にお手入れができるという点はどちらも変わりません。
天然素材は高価になりやすいと言われますが、合成繊維も日々進歩していて、安価とは言えない製品もあります。使い心地や劣化の仕方も一長一短ですから、それぞれの特徴を知って、ソファ選びに活かしてくださいね。
天然素材のファブリック
自然界に存在する繊維で作られたコットン(綿)・リネン(麻の一種)・ウールなどが天然繊維です。天然由来の原料を加工して作られるレーヨンなどは、再生繊維と呼ばれ、天然繊維と同じく土に還る素材なので、ここでは天然素材としてご紹介しますね。
低刺激で、乳幼児や敏感肌の人でも安心して使えます。吸湿性や吸水性に優れ、ソフトな肌触りが魅力です。リネンの清涼感やウールの保温性など、求める触感によって選ぶと良いでしょう。
天然繊維は、自然の風合いと温かみがあるので、ナチュラルな雰囲気のお部屋に合います。埃や臭いが付きやすいので、気になる方はカバーを取り外して洗えるタイプにするのも一つの手です。シワや毛玉になりやすいということも覚えておいてくださいね。
レーヨンはシルクに似た光沢や手触りが特徴で、さらりとした感触とエレガントな雰囲気が魅力ですが、ファブリックの中ではデリケートな素材です。
合成繊維のファブリック
合成繊維は、ポリエステル・ナイロン・アクリル・マイクロファイバーなど化学的に作られた繊維です。
ソファの張り地としては、耐久性の高さに加えて、シワになりにくく型崩れしにくい点が大きなメリットでしょう。防水・撥水などの加工がしやすいので、バラエティに富んだ様々な機能を持つ素材がたくさんあります。
吸湿性や吸水性が低く、静電気を起こしやすいと一般的に言われているため、肌触りが気になる方は実際に触れて確認したほうが良さそうですね。
生地肌面の凹凸構造により吸汗速乾性を高めた素材が開発されるなど、合成繊維の技術は日進月歩で変わっています。テキスタイルメーカーやデザイナーによって、改良された新しい素材のソファが誕生しているのです。
お手入れ簡単でエシカルな合成皮革(人工皮革)
人工素材を用いて作られた革が合成皮革です。「合皮」と略称で呼ばれることが多いですね。
SDGsの推進に取り組む企業や個人が増える中、消費活動においても「サステナブル」や「エシカル」といった言葉を耳にするようになりました。合皮は、動物性の素材を使用しないアニマルフリー製品なので、そういった需要に応える生地と言えます。
本革より安価でメンテナンスしやすいのが嬉しい点です。
汚れてもサッと水拭きできるので気を使う必要がありません。本革のような質感を持ちながら、軽いので扱いやすいのもメリットです。合皮であれば軽量タイプのソファが出回っていますよ。
ペットと暮らす方にとって、犬・猫の粗相や爪の引っ搔き傷は悩みの種だと思います。合皮は水を弾くため、お手入れが簡単なのでおすすめです。猫の爪に強いスエード調の生地などもあり、質感の選択肢が広いのでお好みで選べます。
通気性がないので、触感が気になる方は注意が必要です。本革と比べて経年劣化しやすく、革の表面が摩耗してきたら買い替え時と考えましょう。
質感×用途×色、ソファが司るお部屋の印象
良くも悪くもお部屋の印象を変え得るソファの質感・用途・色の選び方について取り上げます。
「気に入ったソファありきでお部屋のコーディネートをする」というパターンは少ないですよね。先にインテリアテイストを決めてからソファを選ぶとお部屋全体の統一感を出しやすくなります。まず、お部屋のイメージやスタイルの方針を明確にしてからソファ選びを始めることが大切です。
ソファ生地の質感による印象の違い
かっちりとしたスクエアタイプの二人掛けソファを想像してください。
このソファの生地は、黒色のつるりとした張りのある本革だとします。モノトーンで統一されたシックなお部屋に置くと、スタイリッシュなムードを高めてくれそうですよね。同じソファが黒色のファブリック生地だったらどうでしょう。少し優しい印象に変わりませんか。色が杢グレーであればさらに柔らかな雰囲気になります。
では次に、生成りのカーテンやラグでナチュラルに作られたお部屋に先ほどの黒革のソファを置いてみます。
ソファだけが浮いている印象で、違和感がありますよね。この生地をヴィンテージ調のブラウン系合皮レザーに変えると、観葉植物や木製テーブルとも合い、自然な雰囲気に馴染ませることができます。本革でもナチュラルな色で柔らかな質感のソファなら相性が良さそうです。
同種素材の中にも質感の違いがあります。生地の質感が醸し出す雰囲気の違いを感じて、お部屋の印象に合った生地を選びましょう。
用途に合わせたソファ生地の選び方
ソファの形だけではなく、生地も用途に合ったものを選ぶことで、生活環境を含めてお部屋に馴染ませることができます。
小さなお子様と暮らす環境であれば、肌に優しくこまめにお手入れができる生地が良いかもしれませんし、ペットと暮らす方は傷や汚れに強い生地が長く使えるでしょう。
夫婦二人で趣味の映画鑑賞をするためにソファを置きたい場合は、座り心地やラグジュアリー感を重視した長く愛せるような生地が合うかもしれませんよね。
生地の特徴と照らし合わせて、ライフスタイルにも溶け込むソファ生地を見つけましょう。
ソファ色のコーディネートポイント
インテリア配色の黄金比率である「ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=70:25:5」をお部屋づくりに取り入れるとバランス良くまとまった印象になります。
面積の広い壁や床などがベースカラー、大きな家具やカーテンなどがメインカラー、小さな家具や雑貨などがアクセントカラーとなる場合が多いです。お部屋の色をこの3色に絞るとバランスが取りやすくなりますよ。
一般的に、ベースカラーは白やベージュのような薄い色であることが多く、メインカラーはベースカラーと相性の良い色が適しています。アクセントカラーは、お好みに合わせてビビットな濃い色も取り入れやすいですね。
ソファをベースカラーにするとお部屋に溶け込み、部屋の広さが足りなくても圧迫感を少なくできます。メインカラーに合わせると、他の家具との統一感でメリハリの効いたお部屋を作りやすいです。ソファを目立たせたい場合は、アクセントカラーにすると効果的。
ソファをどう見せたいかによって、色を選びましょう。
まとめ
ソファ生地選びは、お部屋のイメージや使い心地に深く関わるものです。
どんな生地にもメリットとデメリットがあり、それぞれ異なる質感を持っています。生地の個性を理解したうえで、ソファの形と合わせて、生地もじっくりと選んでください。
印象がカッコいいから、素材が好きだからという基準で選ぶのもいいかもしれませんが、ソファは長く使う大型家具です。ご自身のライフスタイルをイメージして、ストレスなく使えるものをベースに、色合いや素材を見つけていきましょう。
印象はもちろん、お手入れに関することもお忘れなく。お部屋の雰囲気やライフスタイルにぴったりと寄り添うソファに出会えることを願っています。
【参考記事】
ソファの布・生地はこれで決まり!布・生地の選び方
https://www.sofastyle.jp/media/chooseuse/56262
ソファの生地の種類・特徴と生地を選ぶ3のポイント&おすすめソファ生地
https://www.ny-k.co.jp/enjoy/sofamagazine/room-sofa-fabric.html
ソファに使われてる生地の特徴について解説!オススメの生地もご紹介!
https://yamatomi.biz/labo/38548
ソファはどんな素材がおすすめ?お手入れ法から考える家具の選び方
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https://www.ny-k.co.jp/material/narrow/pet/
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