立野木材工芸の魅力②

立野木材工芸の魅力②

福岡県大川市に工場を構え、テーブルや収納など様々な家具をつくり続ける立野木材工芸についてご紹介します。
 
 

歴史ある製作所

大量生産と大川

今回福岡市から大川市の方へ車で移動しました。まず驚いたことは、家具関連の企業が本当にたくさんあることです。家具、木工、突き板、塗料、建具、金物、硝子、運送など、家具やインテリアなど住まいにまつわる文字を何度も目にしました。お店や工場が想像していたよりも多くあり、インテリア・家具の街ということにさらに深い理解を得ることができました。

また、立野社長のお話では、幼い頃のクラスメートの大半のご両親が、木工関連のお仕事であったというエピソードも印象深く残っています。

  

そんな大川にある立野木材工芸は以前の記事でも記した通り、昭和24年(1949年)に木材店として生まれています。工場に入ると、大きな空間に機械を使ったライン生産が行われていたことがわかります。戦後当時、空襲によって家や家具が焼け、家具の需要も高まっていたために、業界は機械化と大量生産化が進み急成長していました。立野木材工芸も、かつてはライン生産によって箱物家具を効率的に生産していたそうです。

 

立野木材工芸さんの工場内の様子 

 

少量多品種の生産

現在は、オーダーメイド製品や、使用者のニーズが幅広いことから少数多品種の生産が行われています。工場にも様々な種類の部品、部材が見られます。

 

 少数多品種の生産が行われている工場の風景 

 工場内で見られる様々な種類の家具の部品

 

立野木材工芸のホームページからもわかるように、得意とする箱物の家具はもちろん、脚物と呼ばれる椅子にも挑戦したり、またその箱物と脚物の融合ともいえる脚付きのキャビネットなど、様々な木製家具を生産しています。時代のニーズに合わせて、質の良い木製家具を作り続ける立野木材工芸。柔軟に変化し、オーダーメイドやデザイナーとのコラボなど様々なことに挑戦する姿勢が、工場の様子からも感じ取ることができます。

 

 

テクノロジーと人の手

機械と職人 

 また、もちろん機械を使用して作業が行われていますが、丸ごと機械に任せるというよりは人間の手によって操作されていたり、手作業で行われる作業光景も多く見受けられます。立野社長は新しい機械を導入することももちろん大事だけど、それよりも今ある機械を使いこなせるようになってほしいと職人の皆さんに伝えているそうです。新たなテクノロジーばかりにこだわるのではなく、あくまで扱う側の人に成長してほしいという思いが感じられ、70年以上家具の製造に携わり続ける立野木材工芸のこだわりが感じられます。

 

人の手を活かして機械が扱われる様子

    

研磨という工程

中でも印象深いのは研磨の工程です。木製家具には研磨の工程が必須です。表面を丁寧に磨き上げて整える作業には、安全にする、心地よい肌触りに仕上げる、木材の温かみを最大限に引き出すなどの目的があります。また、塗装においてもきちんと木地が調整されていなければ美しく仕上げることができないため、見た目にも重要な工程だといえます。

研磨も、熟練の職人の手によって行われています。実際に未熟な職人が行った際には見た目にも触感にも大きく仕上がりが変わってくるので、やり直しとなることもあるそう。厳しいチェックをクリアした製品のみがお客様のもとに届けられ、品質が保たれ続けているのです。

   

研磨の様子

  

女性の活躍

職人の方々を見ていると、女性の姿も印象的に写りました。特に仕上げに近い部分で女性の力が発揮されているそうです。割合の多い男性の職人によって形作られてきた製品を、完成に近い段階で女性の異なる視点が入る。それによって新たな発見もあるといいます。

 

仕上げの工程が行われる様子

 

立野木材工芸のホームページもとても細やかに整った印象があります。美しく生きる女性をテーマにブランドを展開するなど、女性の視点も大切にされて活かされていることがわかります。

 

 

実際に工場を訪ねることで、社員の皆さんが真摯に家具づくりに向き合っている様子や、大切にされていること、また地域の雰囲気など感じ取ることがたくさんありました。技術的なお話だけではなく、家具につまったストーリーや思いなど、魅力をきちんとお伝えできるようにしていきます。

 

 

 




関連商品