フィルムカメラの記録

フィルムカメラの記録

以前のコラム:便利でないのも楽しい でも記しましたが、フィルムカメラを使って写真を撮ってみています。これから、フィルムカメラで撮った写真もコラムに挙げていこうと思い、自分がどんなカメラを使っているのか少し調べてみることにしました。

 

これまでずっと使っていたのは、OLYMPUS IZM200
たまたま見つけた、実家で眠っていたものです。調べてみると、昭和64年(1989年)に発売のシリーズでした。当時は、フォーカス、フィルムの巻き上げ、フラッシュも内臓のもので可能になるなど、全自動化が進んだ時代だそう。コンパクトカメラの全盛期とも言われているそうです。ズーム機能付き全自動コンパクトカメラとしては初期のものなので、コンパクトといえど割と大きめにも感じられます。

見つけたとき、購入者である叔母に報告すると、当時はいいお値段する上等なものだったと言っていたのを覚えています。バブル時代の後押しを受けた度々の旅行では、カメラ担当で活躍したそうな!タイ、プーケット、オーストラリア、グアム、パラオと、海外にも連れて行ったそうで、いろんな世界を知っているカメラです。

全て自動でやってくれるのは、フィルムカメラ初心者の私にはとても頼もしく、ガシガシカジュアルに使うことができています。今はレンズの状態が良くないのか、少しぼんやりした写真になりますが、それも味わいとして楽しめています。

 

 

  

 

 

最近、新しく(いや物は古いけれど)ハーフサイズのカメラを手に入れました。
全自動のIZM200でフィルムカメラをしばらく使ってみて楽しかったのと、人ものを借りて、マニュアル機を使わせてもらった時、自分で操作する楽しさとキリリと映るけれども色味の味わいが残る感じを気に入り、もう一台別のフィルムカメラを持ちたくなりました。

 

カメラ屋さんで相談しながら選んだのは、Canon Demiというカメラ。
IZM200よりさらに時代を遡って、昭和38年(1963年)発売のハーフサイズカメラです。一般的に使用されるフィルムの1枚分に2カット撮ることができ、「Demi」はフランス語で「半分」を意味しています。当時、1959年に発売されたOLYMPUS PENを受けてハーフサイズカメラの流行し、ハーフサイズのことを、メーカーによってペンサイズやデミサイズとも呼んでいたそう。ハーフサイズは、当時高価だったフィルムを節約する目的や、当時手動で行っていたフィルムを巻き上げる動作が短いストロークで可能になり、連写がしやすくなるという利点もあり、特にカラーフィルムの登場前はブームとなりました。1枚が半分のサイズとなるので引き伸ばして現像の際には、粒子が荒くなります。そのため、ハーフサイズカメラには技術者の奮闘によって完成した高性能なレンズが採用されたそうです。Demi発売時期には、すでにハーフサイズカメラは12機種あったそうですが、その外観や機能と性能から人気を集めました。カメラ屋さんも、これ使ってみるのは面白いと思うと言っていて、詳しい方がみても楽しいカメラなのだとわかりました。

 

IZM200より更に持ち運びしやすいコンパクトなもの、マニュアル操作が楽しめてキリリと撮れるもので、手軽なものを求めて相談して教えてもらったこのカメラ。
およそ60年前のものなので外観は少し傷んでいましたが、露出計も問題なく動きます。電池も要らないこのカメラは、私にとってとても新鮮。操作としても、露光計の針に合わせて露出を調節することで、シャッタースピードと絞りの適正な組み合わせが定められるプログラム式、あとはピントを大体合わせて撮る、と行った感じで簡単。マニュアル機だけれども大まかな感じが当時ならではで、大雑把な私の性格に合っています。丸みがある可愛らしい外観、ポケットにも収まるコンパクトなサイズ感も良く、出会いだ!と思い決断。もう少し日常的に使えたらいいなと思っていたので、通常の2倍撮れるハーフサイズもやはり魅力的でした。

  

ちゃんと使えるかどうか確かめる目的で、カメラ屋さんにいただいた1本で撮った第一弾では、キリリと撮れることが確認できました。

今回は第二弾。室内の少し暗いところで撮ったものも多く、ぶれている写真がほとんど。また、カジュアルに持ち運びしすぎたからか、フィルムがうまく回っておらず、多重露光(その機能は持たない機種)しているものもありました。あとは、明るすぎたり、ピントもうまく合っていなかったり。とても残念だけど、これも味ということにしてこの歴史も楽しむことにします。

 

 

 
暗いところでは、シャッタースピードを一番低く設定していたけれど、ぶれるばかりで意外と明るい。今度はぴったりよりも少し暗めに設定し、シャッタースピードを優先して撮ってみようと思います。