《インテリアスタイル解説②》 こだわり編 クラシック系インテリアスタイル

インテリアのデザインスタイルについて、今回、クラシック系、リゾート系、ナチュラル系のテイストに分けてご紹介します。

 

この記事では、クラシック系のインテリアスタイルをご案内。

「クラシック」という言葉の意味通り、古典的な伝統あるインテリアスタイルを取り上げ、まとめてみました。上質な素材やディティールに凝った家具が取り入れられ、流行に左右されない上品さを持つスタイルといわれています。


「上質さや伝統を重んじる」

「ヨーロッパ貴族のような優雅な空間を作りたい」

「歴史や経年の味わいを感じる家具が好き」


といった場合は、クラシック系インテリアスタイルを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。


豪華で装飾的なイメージが先行しがちですが、格式あるホテルのサロンやラウンジで採用されるように、落ち着いて会話を楽しめる実用的な一面もあるのです。


中でも「アメリカンスタイル」、「トラディショナルスタイル」、「アンティークスタイル」の3種類に分けて、各スタイルの特徴やポイントを解説します。


インテリアコーディネートのご参考にしてください。



アメリカンスタイルとは?

アメリカンスタイルとは、ヨーロッパ式の建築・インテリアをルーツとするアーリーアメリカンテイストから、さらにアメリカ流に派生したインテリアスタイルだといわれています。


様々な文化が混ざり合ったアメリカならではの独特のムードがあります。


テイストにも幅広い種類があるので、今回は年代物の古い家具などを取り入れたヴィンテージアメリカンに焦点を当てて見ていきましょう。


昔のアメリカ映画で見た風景が思い出されるような家具や雑貨は、男性にも女性にもファンが多いです。



アメリカンスタイルの特徴

アメリカンスタイルは、あえてユーズド感やくすみ感のあるアイテムを使い、彩度を落としたカラーコーディネートで独特の味わいを出しているのが特徴といえます。


重厚感は持ちながらアメリカらしい明るさがあり、スタイリッシュにまとめることもできる懐の深さのようなものを感じることができるでしょう。無骨やクールといった男性的な雰囲気とも相性が良いのが魅力。


アメリカでは、住居は家族で楽しむプライベート空間として非常に重んじられているそうです。合理的で快適なインテリアは、忙しい日々の中で過ごす大切な時間にぴったりフィットしそうですね。



アメリカンスタイルを作るポイント

アメリカンスタイルを作るポイントについて解説します。



重厚感のある内装

濃いブラウンの無垢材や剥き出し感のある木材を天井・床・壁に採用することで重厚感とスモーキーな雰囲気を演出しましょう。レンガ調の壁もおすすめです。


ホワイトの壁でも、扉やアクセントウォールに重厚な質感を取り入れることで、ラフなヴィンテージ感が出ますよ。



色味は落ち着いたトーンで

濃いブラウンやブラックを使うことで、どっしりと落ち着いた雰囲気にまとまりやすくなります。また、インディゴブルーのソファやラグは抜け感を出す方法もよく使われています。


くすみのカラーなどの深みのある色合いをメインにすると、大人シックなヴィンテージ感になりますよ。

 


レザー素材のソファ・椅子で引き締まった空間を

ソファや椅子にレザー素材を取り入れると、空間が引き締まります。


色は、ブラックやブラウンがおすすめです。くたびれ感のある革や経年変化を楽しめる本革は、雰囲気に馴染みますね。


ブラックアイアンや木製の脚が付いている物も素敵です。



ヴィンテージ感は天然木製の家具で

天然木を使用したテーブル・椅子・棚などを置くと、ヴィンテージアメリカンの雰囲気がグッと高まります。濃いブラウンやスモーキーな色味の木材が良いでしょう。木目が見えるような木の質感を残した物がおすすめです。



印象的な照明器具でノスタルジックを表現

アイアン製のランプシェードや電球が剥き出しになったデザインなど、懐かしい雰囲気の照明器具は必須です。温かみのあるオレンジ色の電球色は、ノスタルジックな世界観を演出してくれます。


ペンダントタイプは視線が集中しやすくおすすめです。



アメリカンスタイルをつくるおすすめな小物

個性的な形の観葉植物・ヴィンテージ感のある掛け時計・ネイティブ柄のラグやクッションなどは、空間のポイントになる印象的な小物としておすすめです。


ウェルカムボードや看板のようなメッセージボードもアメリカンな雰囲気を引き上げてくれますよ。



トラディショナルスタイルとは?

トラディショナルスタイルは、ヨーロッパ貴族の宮殿がルーツとなった古き良き名家のフォーマルなインテリアスタイルです。


格式高い雰囲気の家具や上質なファブリックが使われ、伝統的で上品な雰囲気を醸し出しています。由緒正しい、格調高いといったイメージにぴったりのスタイルですね。


現代のシンプル主流のインテリアとは一線を画すポジションですが、優雅さに加えて、安定感や秩序ある雰囲気が多くの人々に愛されています。



トラディショナルスタイルの特徴

統一した色味のクラシカルな家具を取り入れ、空間全体をシンメトリーに納めるバランスを重視している点が特徴だといえます。


トラディショナルスタイルは、地域によって異なる特徴を持っています。代表的な3種類を見てみましょう。



1.アメリカントラディショナル

イギリスのスタイルをアメリカ風にアレンジしたもので、アメリカの伝統的インテリアスタイル。フォーマルでありながらアットホームな雰囲気を併せ持つ雰囲気といえます。



2.ヨーロピアンクラシック

イギリスを中心とした近世ヨーロッパの様式を織り交ぜたインテリアスタイル。エレガントで格式のある雰囲気が特徴です。



3.フレンチトラディショナル

ルネサンス以降のフランス王朝の建築・室内装飾様式を表現したインテリアスタイル。華やかな柄や色彩を用いて、サロンのような優美さを演出するようなスタイルです。



トラディショナルスタイルを創るポイント

トラディショナルスタイルを作るポイントについて、種類ごとに分けて解説します。



アメリカントラディショナル

家具は、ヨーロピアンクラシックに比べると装飾が控えめで、機能性に重きを置いた知的なデザインが多く用いられるといえます。


濃いブラウンの木材や柄物のファブリックで作られた重みのあるテーブル・椅子・ソファなど、トラッドな雰囲気を盛り立ててくれる物を選びましょう。


壁や天井は、ホワイトやベージュなどの淡い色合いでまとめると、フォーマル過ぎず明るい印象を保つことができるといえます。床はダークトーンを採用すると、重厚感のある家具がより溶け込みやすくなるかもしれません。


トワルドジュイ柄やダマスク柄、ブロケードなどが伝統的な織物・柄物として有名なので、ファブリック素材で取り入れてみてください。



ヨーロピアンクラシック

アンティーク調の濃いブラウンの木製家具で統一すると、気品と重厚感を演出できます。


艶が美しいチョコレート色のダイニングセットや格式高い彫りの入ったベッドなど、高級感のある物を選びましょう。


全体的に彩度が低く深い色合いでまとめ、花柄やタータンチェック柄などの明るいファブリックでくどくならないようにすると、バランスがとりやすくなります。


カーテン・ラグ・クッションなど、ファブリックをふんだんに使用できるスタイルなので、思い切ってエレガントな柄物を取り入れるのも良いかもしれません。


壁や天井に重厚な飾り縁を入れると、古典的な豪華さがアップするのでおすすめです。



フレンチトラディショナル

家具は、猫脚・ロマンティックな彫刻・金装飾を使った丸みのあるデザインの物が多く用いられます。


寄木細工などの木の色合いを生かした家具も素敵ですが、木材をホワイトに塗装したサロンチェアやチェストなどもフレンチトラディショナルによく合うのでおすすめです。


大理石やタイルの床・花柄など鮮やかな壁紙・モールディングや立体装飾が施された壁などを取り入れると一気にフランスらしい優雅な雰囲気になります。


マントルピース(元々は暖炉の周囲の壁に付ける装飾)もよく使われるアイテムだと思います。


ファブリックインテリアには、シルクブロケードやゴブラン織を取り入れてみてください。



アンティークスタイルとは?

アンティーク家具や雑貨などを中心に構成されたインテリアスタイルをアンティークスタイルと呼んで解説します。


アンティークとは、フランス語で骨董品のことを指し、作られてから概ね100年以上経っている品に対して使われる場合が多いようです。


定義が曖昧であるため、古い時代に作られた家具などをアンティークと呼んで間違いないでしょう。


古いデザイン様式を取り入れて作られた物もアンティークインテリアと呼ばれていることがあります。



アンティークスタイルの特徴

職人技が光る凝ったデザインと上質な材料を用いたアンティーク家具が醸し出す気品ある佇まいが特徴です。


細部にこだわって作られた家具は、年月によって魅力を増していきます。傷などの劣化や経年変化も良き味わいとして認め、そこに価値を見出していくようなマニアックなスタイルと言えるでしょう。


代表的な2種類のアンティークテイストをご紹介します。



1.イギリステイスト

ダークカラーの木材を使用したどっしりと重みのある家具が放つラグジュアリー感が特徴的だといえます。落ち着いた雰囲気の中にしっかりとした風格が漂います。


2.フレンチテイスト

ホワイトを基調とした丸みのある家具や装飾が多く、フェミニンな雰囲気。多くの女性が憧れる上品で可愛らしいテイストに仕上げられるのが魅力ですね。



アンティークスタイルを創るポイント

アンティークスタイルを作るポイントについて、2種類のテイストの共通事項と独自のポイントに分けて解説します。



イギリステイスト・フランステイストの共通ポイント

家具に使われる木材は、マホガニー材やウォールナット材、オーク材といった種類が代表的です。


これらは木目が美しく、耐久性が高いのが特徴で、手入れをすることで長きにわたって美しさを保ちます。世代を超えて引き継いでいける家具として、ぜひ選んでみてください。


シャンデリアやスタンドライトなどの照明器具はアンティークインテリアの重要な要素です。様々なアンティーク照明があるので、空間に合わせて取り入れましょう。


手織りの絨毯やカーテンタッセルなどの年代物も風合いを出してくれるおすすめアイテムですよ。



イギリステイストのポイント

基本的には、暗めのカラーをベースとするのがスタンダードです。


イギリスのアンティーク家具は、主に深みのあるダークブラウンなので、壁やファブリックを明るめの色にして空間が重くなり過ぎないようお好みでバランスを取るのも良いでしょう。


繊細な彫刻・象嵌の装飾・バルボスレッグやツイストレッグの脚などが、イギリスアンティーク家具の特徴です。これらを取り入れると英国スタイルの風格がアップしますよ。


ファブリック生地は、花柄やダマスク柄、ウィルトン織などがおすすめです。たっぷりとボリュームのあるカーテンやラグに取り入れるのも良いでしょう。



フレンチテイストのポイント

基本的には、壁などのベースをホワイトで整えると上手くまとまります。


ホワイトやベージュなど淡い色合いにペイントされた木製家具も馴染みますよ。床は、ヘリンボーンなど木の質感を生かした木材でも良いですね。


木材とファブリックを組み合わせたスツール・猫脚や華奢な脚を持つテーブルやチェストなど、曲線的なフォルムのしなやかで美しい家具がフレンチアンティークの特徴です。


アイアンとの相性が良く、脚や装飾に用いている物もあります。シャビーシックな雰囲気を出すのに良いですね。


壁に腰壁モールディングを施すのもおすすめです。アンティーク家具によく合いますよ。

 


まとめ

クラシック系インテリアは、流行にとらわれない普遍的なスタイルです。


クラシックな物に興味がなくても、芸の細かい上質なアンティーク家具に触れると品格を感じます。


古くて魅力ある物は奥深いですよね。そういった意味では、ずっと追求し続けられる、とことんこだわり抜けるインテリアスタイルです。


今回紹介したインテリアにハードルを感じる方も多いと思います。


例えば、一からトラディショナルスタイルを作ろうとすると日本の一般的な住宅では大掛かりになってしまいます。そのため、新築やリノベーションでない場合は、クッションフロアやリメイクシートなどを活用して手軽に雰囲気を取り入れるのも良い方法です。


必ずしも本格志向である必要はありませんよ。


アンティーク・ヴィンテージ家具は、「出会い」の要素が強く、高価なので、少しずつ買い足していくという場合が大半です。気に入ったインテリアを一つずつ集めていく楽しみを味わっていただきたいですね。


それぞれのこだわりのインテリアを作るご参考にしてください。






【参考サイト】

アメリカンインテリアとは?特徴や部屋づくりのポイント、実例も紹介

https://www.athome.co.jp/contents/interior-style/american-interior/

アメリカンヴィンテージな家のつくり方|外観や内装のポイントを解説

https://mshome.tv/guide/5170/

アメリカンヴィンテージ特集

https://shopping.geocities.jp/interior-depot/event/american.html

上品でかっこいい!トラディショナルスタイルで格式高い空間に変身!

https://suma-e.net/2020/09/16/renovation-038/

トラディショナルスタイル

https://www.cucannetshop.jp/contents/howto/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB/

Houzz スタイル事典:トラディショナル

https://www.houzz.jp/ideabooks/48782877/list

アンティークインテリアとは?特徴や一人暮らしでできる部屋づくりのポイント、実例も紹介

https://www.athome.co.jp/contents/interior-style/antique-interior/

アンティーク調の部屋にしたい!ポイントと8つのスタイルをご紹介

https://www.covearth.co.jp/magazine/157883

上質なアンティークインテリアを構成する5つのポイント

https://www.idc-otsuka.jp/interior-story/item_search/sofa/post-8662.html