《インテリアスタイル解説②》 こだわり編 ナチュラルテイスト
インテリアのデザインスタイルについて、今回、クラシック系、リゾート系、ナチュラル系のテイストに分けてご紹介します。
この記事では、ナチュラルテイストのインテリアスタイルをご案内。
ナチュラルテイストなインテリアでは、様々な個性を持つ天然木・ラタン(籐)などの植物素材・石・綿や麻などの天然ファブリック素材などをふんだんに使って、素朴で温かみ溢れる空間を作ります。
肩ひじ張るよりも、ゆったり過ごせる空間にしたいという希望に添うようなラフな印象のスタイルです。
「木の温もりを感じられるインテリアに興味がある」
「無機質なものよりも有機的で温かみのある家具・雑貨が好き」
「自然との一体感を感じるような空間にしたい」
といった場合は、マッチすることでしょう。
中でも「サーフスタイル」、「ファームハウススタイル」、「カントリースタイル」の3種類に分けて、各スタイルの特徴やポイントを解説します。
空間のテーマとなるインテリアスタイルを決める際の参考になれば幸いです。
サーフスタイルとは?
サーフスタイルとは、アメリカ西海岸のカリフォルニア州の住宅の雰囲気を意識したインテリアスタイルです。
カリフォルニアは、サーフィンの聖地として世界中のサーファーに知られています。
年間通してカラッと晴れる日が多く、年中サーフィンが楽しめるというカリフォルニア。その壮大な海と空を感じる自由で開放的な空間を、室内に持ち込んだようなテイストです。
海辺で過ごすようなリラックス感やカジュアル感が、老若男女問わず愛されています。
サーフスタイルの特徴
自然とのつながりを重んじ、海辺に居るような開放感を醸し出すインテリア。
ビーチハウスのようにラフな内装・海を感じさせる配色・太陽の日差しや潮風の心地良さを演出する空間作りなど、半屋外のようなワイルドさが特徴といえます。
「日々の忙しさからの解放」「スローライフ」といったイメージにぴったりなスタイルです。郷愁を感じさせるような自然に囲まれ、ゆったりと前向きな気分になれる雰囲気が魅力的です。
サーフスタイルを作るポイント
サーフスタイルの部屋を作るポイントについて解説します。
天然素材をメインに
天井・床・壁など空間のベースとなる部分に木材を取り入れるとサーフスタイルの雰囲気が出しやすくなります。木の質感が分かるような木材がおすすめです。無垢材であれば、経年変化も味になりますね。
ヴィンテージ感のある木材やラタンなどの植物素材を用いた家具は、海のブルーに良く合いますよ。
麻やインド綿などの ザラザラ感があるナチュラルなファブリック素材も取り入れましょう。
海や空を思わせるブルーを使う
ソファ・カーテン・ラグなど広い面でブルーを配置して、空間のテーマを印象付けるのはいかがでしょうか。
エメラルドブルー・コバルトブルー・インディゴブルーなどトーンの違うブルーで表情を出しても良いかもしれません。
ソファやベッドのマルチカバーなど、大判のファブリックにブルーを取り入れるのも手軽でおすすめですよ。
植物のグリーンを取り入れる
植物を置くと自然との一体感が高まります。ヤシなどの南国を思わせる植物は、一気に雰囲気を出してくれるのでおすすめです。
植物のグリーンは安らぎをもたらし、リラックス感も高めてくれます。アクセントを付けたい場合やダイナミックな印象を出したいケースでは、大ぶりの観葉植物を配置するのがおすすめです。
素材そのものの質感を取り入れる
塗装の剥げや錆びなど野ざらしにされたような質感をインテリアに取り入れると、海辺に佇むような風合いが出せます。
例えば、かすれ加工がされているテーブルや椅子などを置いたり、ウッディな壁や扉をアンティーク風にペイントすることで、潮風でダメージを受けたような味わいを演出することも可能です。
部屋を飾るおすすめな小物や大型アイテム
ハンモック・ビーチチェア・サーフボード・屋外用ランプ・ロープなど、通常は外で使うアイテムをインテリアとして使うと開放感が出ます。
石・レンガ・ウッドデッキ風の板など、エクステリア的な素材を大胆に取り入れるのもおすすめです。
ムードを高めるための小物としては、貝殻・流木・ガラス瓶など海辺に落ちているようなアイテムがおすすめです。
アートパネルなどの壁面装飾やクッションは、空間のテーマを演出する色・質感・柄などを表現しやすいアイテムです。
海の家などにあるフィラメント電球やアルファベットのオブジェ・ネオンサイン・ペイントなども多く取り入れられています。
ファームハウススタイル
ファームハウススタイルとは、アメリカンカントリースタイルにモダンテイストを融合させたインテリアスタイルといわれています。
アメリカの田舎をイメージしたカントリースタイルの素朴さや温かみあるデザインに、シックな色や質感を加えることで、カジュアルだけど品のある現代的なスタイルに仕上げています。
居心地が良く懐かしい雰囲気なのに、なんだか新しいと感じる斬新な印象で、近年アメリカで人気のあるテイストだそうです。
ファームハウススタイルの特徴
自然の温もりを大切にするカントリースタイルの中に、シックな色味やスタイリッシュなデザインを取り入れて現代的に見せているのが特徴的です。
ホワイトを基調とし、パイン材や古材などの木製素材をプラスするのがメインスタイルで、さわやかなナチュラル感があります。モノトーンやアースカラーを取り入れることで、落ち着いた大人の雰囲気を作れるのが魅力ですね。
「モダンだけど木の温もりが欲しい」といった場合の選択肢としておすすめします。
ファームハウススタイルを作るポイント
ファームハウススタイルを作るポイントについて解説します。
ベースは、ホワイト・ウッディ・アースカラー
ホワイトとウッディカラーをベースにすることが多いです。
白っぽい色の壁と木製の梁や床でベースを作るとコーディネートしやすいですね。大型の家具・ラグ・壁付け棚などで色味調整するのも有効でしょう。
色をプラスするなら、アースカラーを取り入れるとグッと洗練された空間になりますよ。
ブラックは空間を引き締める
ホワイト・ウッディ・アースカラーにブラックが入ると空間が引き締まり、モダンな表現が加わります。ブラックアイアンを使った照明器具・壁掛けフックなどはカントリースタイルに溶け込みやすくておすすめです。
ブラックの面積が広いほどモダン寄りになるので、お好みでバランスを取りましょう。チェックなどの柄物や手織り風のアイテムで取り入れるとマイルドになりますよ。
ペイントされた木製アイテム
木製のインテリアは、天然木の素材感を生かす使い方と合わせて、ペイントされたアイテムも取り入れてみてください。
木製のキャビネット・椅子・窓枠などがホワイトやくすみカラーにペイントされていると、また違う雰囲気が出て素敵です。シャビーなアンティーク調のペイントも味があります。
ボタニカル要素は必須
観葉植物・フェイクグリーン・ドライフラワーなどのボタニカル要素は必須アイテムです。庭から鉢ごと持ってきたような風情で飾るとラフなリラックス感が出ますよ。リースにして飾る方法もよく使われています。
色鮮やかな草花よりも、少しスモーキーな色合いの物が馴染むでしょう。
アニマルモチーフは暖かさを
豚・馬・牛・鹿・鳥などのアニマルモチーフを取り入れると田舎の農家のほっこりした雰囲気が出ます。シックなものを選ぶとコンテンポラリーな要素となるでしょう。
オブジェやハンティングトロフィーはもちろん、ファブリックパネルやラグなどにアニマルモチーフが隠れているのも面白いですね。
おすすめな小物
古いキャンドル・アンティーク調の照明・ウォールミラーなどの懐かしさを感じるアイテムは、カントリースタイルの温もりを演出してくれます。
アルファベットモチーフのアートパネルやクッションなどは、デザイン次第でカントリーにもモダンにも寄せることができるのでおすすめです。
カントリースタイル
一昔前の欧米の庶民生活を意識した、素朴で温かみのあるインテリアスタイルです。
主に農業地帯に暮らす人々の生活に根ざした様式が取り入れられています。木の温もりを感じる家具や天然素材のファブリックなどをハンドメイドしたり、手入れやリメイクをしながら大切に使い込んでいくような簡素な精神が根底にあるといわれています。
自然と共に暮らす郊外の家のようなスタイルは、スタイリッシュな建物やインテリアが増えている日本でも根強い人気です。
カントリースタイルの特徴
動物や草花と共存してきた欧米の古民家的スタイルなため、ヴィンテージの優しい雰囲気が特徴です。
カントリースタイルは地域性があり、生活様式や歴史的背景などによって大きく3種類に分けられるといわれています。
1.アメリカンカントリー
アメリカンカントリーは、ネイティブアメリカンの民族的な文化とヨーロッパから持ち込まれた生活様式をミックスしたインテリアスタイル。ラフなリラックス感と型にはまらない大らかな雰囲気が特徴です。
2.ブリティッシュカントリー
ブリティッシュカントリーは、イギリスの伝統的な田舎暮らしをイメージした格調高く落ち着いたインテリアスタイル。素朴ですが、伝統と格式を感じる気品ある佇まいが特徴です。
3.フレンチカントリー
フレンチカントリーは、自然豊かなフランス南部のプロヴァンス地方に由来する農家風のインテリアスタイル。フェミニンな雰囲気が特徴です。
カントリースタイルを作るポイント
カントリースタイルを作るポイントについて、3種類の共通部分と独自のポイントに分けて解説します。
カントリースタイルの共通ポイント
インテリアに木を多く用いることでカントリースタイルにまとめやすくなります。まずは、壁・床・天井など面積の大きな部分に木材を使うところから始めるのがおすすめです。
観葉植物・エアープランツ・手作り感のあるアイテムなどを使って、ホッとする心地良い空間を目指しましょう。
アメリカンカントリーのポイント
木の色味は、オーク材やパイン材などの明るい色がおすすめです。特に、ラフな印象のパイン材はよく使われます。
木の素材感を生かしつつ、ネイティブアメリカンの伝統的な柄物や無骨な装飾を取り入れると、素朴ながら独特の風合いが出せそうです。ギンガムチェックやパッチワークなどのアイテムも良いですね。明るく大らかな色使いを目指しましょう。
トールペイントの家具や雑貨・ブリキ缶・ホーローキャニスターなど、懐かしさのある小物はムードを高めてくれますよ。
ブリティッシュカントリーのポイント
チェスナット材やウォールナット材などの丈夫で木肌の美しい木材がよく使われます。濃い色味の物がおすすめです。
鉄製の装飾が付いたチェストや脚の短い椅子など、少し重厚感のある家具を選ぶとブリティッシュカントリーならではの落ち着いた雰囲気が出しやすいといわれています。
レトロなランプシェードやシャンデリアなど、歴史を思わせる温かみのある照明にもこだわりましょう。イギリスメーカーの陶器を飾るのも良いかもしれません。
フレンチカントリーのポイント
フレンチカントリーのベース色はホワイトが一般的。パイン材を木の風合いが分かる程度に白いオイル塗料で塗装した家具などが多く見られます。白い漆喰やレンガを白く塗った壁も雰囲気がでますね。
猫脚のような丸みのある家具を選び、ホワイトをメインにしてペールトーンでまとめると優雅な空間に。レースのカバーやドイリー・小花柄のファブリックなど、素朴ながらロマンティックなアイテムを取り入れましょう。
まとめ
自然系インテリアスタイルは、いずれも人々の生活から自然と生まれたものです。
素材の経年変化や傷なども愛でながら、手入れして長く使っていくという昔から欧米にあるライフスタイルが反映されています。こういったマインドや環境に優しい天然素材を使うことに共感される方もいらっしゃいます。
インテリアにも長く使ったからこそ出てくる美しさがあります。
特に自然のままの素材ほど年月の味わいが色濃く感じられるので、そういった変化を楽しめるのも自然系インテリアスタイルの大きな魅力です。
「サーフスタイル」、「ファームハウススタイル」、「カントリースタイル」それぞれの根底には、周囲の自然と共に心地良く暮らすという大きなテーマが流れています。
そのテーマを土台として、各スタイルの特徴となるパーツを組み合わせてみてくださいね。
ご自宅であればライフスタイル、お店や会社であれば理念や社風などが、インテリアスタイルに反映されているかどうかは、活動の質に大きく関わるのではないかと思います。理想を叶えるインテリアスタイルを見つけて、ぜひ実現させてください。
【参考記事】
【実例集付】ナチュラルインテリアを作るポイントをプロが徹底解説! │ Air Rhizome magazine
https://www.air-r.jp/magazine/taste-natural「ナチュラルテイスト」の部屋にするコツと実例をご紹介! | リノベーションと中古物件購入 - ひかリノベ 住まいのコラム『リノベの強化書』
https://hikarinobe.com/contents/natural-interior-12433ナチュラルスタイルのインテリアコーディネート|家具・インテリアの大塚家具
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