木製家具の木目による個性の違い

木製家具の木目による個性の違い

以前の記事に記したように、木製の家具には様々な楽しみ方があります。
木の風合いを楽しむという観点の中に、木目・木理というキーワードがあります。
今回は、木目や木理について記します。
 
 

木目・木理とは

「木目」は様々場面でよく耳にしますが、「木理」はあまりなじみのない言葉かもしれませんね。どちらも広くは、木材表面に見られる模様のことを指しますが、本質的には木目は、地面に根付いている木を地面と垂直方向に切った時に断面に見られるような模様のことを言います。それに対して木理は地面に対して垂直方向に切った時に現れる模様のことを言い、そこには3つの主要な観点があります。
 

肌目

木材表面にでてくる模様の様子のことを肌目と言います。一般的に粗(疎)か精(密)、または均一か不均一、平滑などと表現されます。肌目が粗いというのは、養分や水分を運搬する導管が大きく太い場合をいい、オーク、アッシュ、ウォルナットなどがその分類と言えます。これらの木材は、表面をさらに平滑にするために目止め材で塞いでしまうことがありますが、逆に表面をサンドブラスト加工やワイヤブラシによって強調して楽しむ場合もあります。
肌目が精なのは、小さく細かい細胞を多く持っているために扱いやすく、光沢のある傷のつきにくい表面に仕上げやすいとされています。
 

木理の均一さ

木理の線は、早材(成長の早い春から夏にかけて形成された大型の細胞で、細胞壁も薄いため比較的柔らかい)と晩材(成長の遅い季節に形成された小さく密度の高い細胞で、熱い細胞壁をもち比較的硬い)の境界として現れます。均等な木理や肌目を持っている木材は人気が高くなっていますが、それは年間を通して気温の変化が少ない熱帯林から生まれているものが多くあります。一方で、温帯の木材は早材と晩材の差がはっきりと出てそこが美しいと評価されています。しかし、密度が一定でないために加工が難しいとされています。
 

木理の方向性

木理には方向性があり、木理がまっすぐに走っているものを通直木理、波うっているものを波形木理、らせん状になっているものを旋回木理、木理が複雑に絡み合っているものを交錯木理などといいます。樹種によって異なる特徴をもっていたり、また同じ樹種でも1本1本異なっていたりする木理。ホワイトオークやブラックウォルナットなどは、木理が通直であることが好まれます。それは全ての細胞が空に向かって真っすぐに成長したことで生まれた木理と言えます。しかし、遺伝子的に通直な木理を持つ樹種であっても、森林状態によってはそのように成長しない場合もあり、周りの環境の影響を大きく受けることが理解できます。旋回木理や交錯木理を持つ板材は、急に木理の方向が変化することでカンナかけが困難になるなど、制作にも影響を与えます。
 
 
一言に木目・木理といっても、複数の要素によって構成されていることがわかります。また、樹種ごとの特徴だけでなく、同じ樹種でも生育環境の違いなどによって個体差が表れてくるのです。木目・木理に関して気に入った特徴を持つ樹種を選ぶという楽しみもありますが、自然によって出来上がったたった一つの模様をもつ家具と共に時間を過ごす。それも木製家具の楽しさかもしれませんね。
 
 
参考文献
『The Wood Handbook 木材活用ハンドブック』ガイアブックス