ぼやっとしたピント

ぼやっとしたピント

いつもコンタクトレンズをつけて過ごしている。外して散歩すると、ポスターの文字や道路の標識などは、ぼやけて見えない。遠くのものは形すら認識できない。唯一の特典といえば、夜に出歩くと電灯の光がポワっと幻想的になり、夜景のような綺麗な景色を見れることだ。

 

遠くが見えないと危ないから、向かってくるものを予想しながら歩く。「遠くから人が歩いてくるなぁ」と思ったら、自転車に乗った若者だったり。「青い服の子供かな?」と思ったら、青い自転車に乗ったおじいさんだったり。予想が的中しない視力と観察力の低さに驚いた。


ただ、遠くのものが何かを予想して近づくと、少しずつ段階のように見えてくるのが面白い。

勉強をすることも同じだと思う。知らないものを理解するのは難しいけれど、少しずつ距離を縮めるとだんだん見えてくるものがある。その時が一番楽しい。

物事を見る視点のたとえに「虫の目、鳥の目、魚の目」というものがある。虫は詳細を分析する目、鳥は全体を捉える目、魚は流れで物事を見る目のこと。これらを意識して切り替えることで、さまざまな側面で物事を捉えることができると授業で学んだ。

生まれたての赤ちゃんが少しずつ色が見えてくるように、ルビンの壺みたいに目線を変えて違う形を発見するように、見えている世界は漠然としているかもしれないけれど、知ろうと自分の目で見て、考えて、答えを出す。ピントを合わせていくことを大切にしたい。

 

Yuka.N