椅子のつくり

椅子のつくり

椅子に関わる記事をこれまでも書いてきました。そもそも椅子がどのような部分の構成で成り立っているのか、木製椅子をベースに基本的な構造についてみていきます。

 

 

椅子は、腰掛けるための道具で種類やデザインによってその部品は様々です。一般的には、座、背、脚、肘などで構成されています。

座は、一枚の板を座板とする他に、四角い形の枠を作りその上に座板を置いたりするものがあります。座枠や台輪(脚の上部で座を固定し補強する横木の枠)は、四隅を隅木や隅金物でによって強度が保たれています。

基本的には笠木背板、背柱(背束)などからなる背。部材の構成や形状によって、自転車の車輪のようなスポークバックなどもあります。また、硬質樹脂で座と背が一体化したシェル構造のものなど素材によってもバリエーションが生まれます。

前脚、後脚、貫などから構成される脚。素材によってはこのような形態を取らないものも多く、弾性力に優れているスチールパイプなどは、前脚2本で支えるキャンティレバー構造を持つものなどがあります。 

肘は、肘掛けと束から構成されます。ソファでは、座や背と同様に肘も肘枠として枠組みで構成するものもあります。 

 

   

椅子張り

座の部分を中心に張り加工を施すのが椅子張りです。上張り材、クッション材、衝撃吸収材などで構成され、座り心地を良くする効果があります。

小椅子で多用されるクッションの厚みが20mm程の薄張りには、皿張り、張り枠、張り込みなどの工法があります。

他にも、座面全体にクッション性を持たせ50mmほどの厚みを持つ厚張り、座枠の上にもスプリングが載ることで着席時の当たりが柔らかく、最もクッション性の高いと言えるあおり張りなどがあります。

  

上張り材

表面仕上げ材の一つで、繊維織物や、皮革、編物、コード張り、籐張り、テープ張りなど様々に種類があります。座り心地に加えて、椅子の印象に大きく関わるものだといえます(上張り材について:「椅子に用いられる張地」)。 

  

クッション材

座った時、身体が沈み込み静止状態に至るまでの感触に影響するのがクッション材です。現在のクッション材の主流であるのは、ポリウレタンフォームポリウレタンに科学処理を施して発砲させたもの)です。その他にも、ポリエステルなどによる合成繊維綿、絨毛をラテックス乳液で覆って型枠内で乾燥硬化させたヘアーロック、植物繊維を用いて同じように加工したバームロックなどがあります。

  

衝撃吸収材

衝撃吸収材は、椅子の用途やデザインに応じて様々なものが選ばれますが、それによって座り心地にも大きく影響します。

コイルスプリングを鋼線にセットして、座の大きさに組んだセットスプリング、波状の平たいS字型のスネークスプリングなど、スプリングを用いて衝撃を吸収するもの。細いゴムを糸で巻き、さらにそれを織ったベルト状のウェビングテープ、ジュートや合成繊維を帯状に織ってスプリングの基布になる力布、充填物を覆い、下張りに用いる木綿やレーヨンの織物をいう金巾などを用いたものも多くあります。

  

 

デザインによっても部品は異なりますが、姿勢を正し支える背や、腕を休める肘など、椅子として適切な機能を持たせた部品であることがわかります。さらにその中でも形状やデザインによって、目的に合わせた機能を持つ素材を正しく選択し、使用することが大切なのですね。使用者としても、このような知識を持っていると、自分の求めるものを選ぶ手掛かりになるかもしれません。

 

参考文献

『インテリアコーディネーター1次試験合格教本第11版下巻』ハウジングエージェンシー出版事業部