贅沢な肌触りの今治バスタオル カリブ海産シーアイランドコットンの品質
WELLで取り扱いを始めるタオルは、世界最高級のコットンと評される西印度諸島産シーアイランドコットンで織られ、今治タオルブランドの認定を取得している上質なタオルです。(認定番号:第2021-1766号)
西印度諸島産シーアイランドコットン (海島綿) は、カリブ海地域に生育する超長綿です。
全綿花のわずか1.7%の収穫量しかない超長綿の中から、さらに厳選したシーアイランドコットンの生産量は0.01%と少なく、希少性があり、丁寧に育てられた高品質な綿花は長く、強く、細い、美しさもあります。
高級綿と言われる海島綿のスペック
綿花の性質により、紡績しやすく織り易い糸は価値が高いと評価され、その基準は多岐に渡ります。
その中でも重視される繊維の長さ、天然の撚り程度、太さ、強さなど、シーアイランドコットンの品質を見ていきます。
突出した繊維の長さ
綿の繊維が長いと、糸を加工する際に少ない本数で撚ることができます。ICAC(International Cotton Advisory Committee;国際綿花諮問委員会)の基準によると、綿繊維の長さは以下のように区別されます。
- 短繊維綿 26/32インチ(20.6mm)未満
- 中繊維綿 26/32~1インチ(20.6~25.4mm)未満
- 中長繊維綿 1-1/32~1-3/32インチ(26.2~27.8mm)未満
- 長繊維綿 1-1/8~1-11/32インチ(28.6~33.3mm)未満
- 超長綿 1-3/8インチ(34.9mm)以上
シーアイランドコットンは、平均1.55inch(約39.37mm)と長く、一番長い繊維は最長54mmもあるそうです。ソフトな風合いに仕上がり、なめらかな生地になることから「絹のような光沢とカシミヤの肌触り」と高く評価されています。
心地よい肌触りにつながる天然の撚り
綿繊維の一本一本に天然の撚りが多いと紡績しやすく、細い糸を紡績することもできるようになるとともに、1インチあたりの撚り回数が300回と多く、人工的に追加するよじりの強さが比較的弱く済みます。
自然の風合いをそのまま活かすことによって、ふっくらと膨らむ柔らかさは、冬は保温性があり、夏は吸湿性も発散性も高まるため、涼しく使用できる心地よさも持ち合わせます。
糸の強度につながる繊度
繊維の細さは糸の太さだけでなく、糸の強度にも影響があります。
綿の繊維の太さの単位は「マイクロネア(Mic)」といい、低い数値は細く、高い数値は太いことを表します。正常な繊度を3.5~4.9Micとされ、より細い3.7~4.2Micの綿は特に良いものとされています。超長綿だと、3.5~3.7Micのものは強度と光沢があり貴重とされています。
その数値を上回る3.0Micのシーアイランドコットンは、一本一本がとても細く、糸の断面積に含まれる綿繊維の本数がより多くなるほど、粘り強さ、引っ張り強度を生み出します。
細く長い繊細な繊維から生まれる強度
一般的に一本あたりの繊維が細くなると強度は弱まりますが、シーアイランドコットンの長い繊維と多い天然撚りの回数が、繊維同士の重なる部分を増やし、摩擦力が強まることで、お互いにズレにくく絡み合い、それぞれの性質が強度につながっているのです。
美しさを引き立てる油脂分と反射率
綿には天然の油成分が含まれています。シーアイランドコットンには油脂分が他の綿に比べて多く、独特のぬめり感と、繊維表面の凸凹と毛羽立ちが少ないため、自然で美しい光沢感があります。
優れた綿の栽培に適したカリブ海の気候
長く細い繊維、天然の撚りや光沢等がある優れた綿花のシーアイランドコットンは、カリブ海の恵まれた気候環境で育ちます。
- 年間平均気温26〜28℃
- 昼夜の温度差が少ない
- 年間総雨量1,100〜1,200mm
- 年間総日照時間3,000時間以上
- 水はけの良いアルカリ性の土質
- 発芽成長期が雨季、開花時期が乾季という気象サイクル
植物である綿花は、気候の変動により品質が変化するため、常に均一なものを栽培するのが難しいとされていますが、これらのカリブ海の気候によって、品質が保たれた美しい綿が育ちます。
そのカリブ海地域の4カ国だけに許されたシーアイランドコットンは、神様からの贈り物といえる貴重な綿花であり、この綿花が使われたタオルは極上の肌触りと長く使える耐久性も備わっているのです。
参考文献
・ICAC(International Cotton Advisory Committee;国際綿花諮問委員会)・日比暉. 実用面から見た綿繊維の特性. SEN'S GAKKAISHI(繊維と工業), 2006, Vol.62, No.7, p188-192.