樹種の選び方 ウォールナット
以前の記事「テーブルの天板に使われる木材」でもさらりと触れていますが、ウォールナットという樹種について、詳しくご紹介します。
ウォールナットとは
世界三大銘木(他はチークとマホガニー)の一つで、古くから人々に愛されてきた良材です。
写真
・CAPRA CHAIR full arm(樹種:ウォールナット 張地:バトン
ダークブラウン)
特性
色
個体差はありますが、微かに紫色の色調を帯びた焦げ茶色といえます。
暗褐色の地に薄色の筋が入る濃い色味は、シックで上品な印象を受けます。
経年変化によって、少し青みが抜け、温かみの感じられる色合いへと移ります。この変化は、濃い色味が薄くなっていくとも表現できます。
模様
木理は素直で、ほぼ真っ直ぐなものが多く、時折波状など不規則なものが見受けられます。
心材は特に紫色っぽい縞が見られ、肌目もやや粗いけれども均一で、趣ある模様です。また、素直な木で柔らかいため、美しい仕上がりとなります(木目について:『木製家具の木目による個性の違い』)。
チェリーと同じく散孔材であるウォールナット。環孔材のオークと比べると、さらりとした触感で、木目や木理の印象はさりげない印象です(環孔材と散孔材について:『無垢材のダイニングテーブル』)。
硬度や強度
広葉樹の中では、柔らかい特徴があります。深い色味で、物質的な重さもあるため重厚な印象も受けますが、柔らかい温かみを感じる事ができます。
木材に粘りがあり、衝撃に強く、耐久性も高いといえる樹種です。
用途
オールマイティーな材として、化粧単板も含め、家具だけではなく、時計や小物類にも用いられます。
また彫刻や、根っこの硬い部分を銃床に使うなど、特殊な用途にも使用されます。
色や模様の美しさだけでなく、素直で柔らかいために切る、削る、
参考文献『The Wood Handbook 木材活用ハンドブック』ニックギブス, ガイアブックス『【原色】木材加工面がわかる樹種辞典』河村寿昌/西川栄明, 誠文堂新光社