WELL life style
#03 ガラス作家 沖田奈央さん
心を惹かれ進んできた、これまで
性別、年齢、国籍を問わず、現代に暮らす人々が共通して抱いているのは、豊かな生活を送りたいという願望だと思います。ただ、その豊かさは人それぞれの感じ方や求めている事が異なるのも事実です。
100人居たら100通りの生活があります。私達から見て豊かな生活を送っていると感じている人達へのインタビューを通して、豊かな暮らしを送るためのヒントを探っていきます。
ガラス作家として歩んだきっかけ
季節の景色に触れた心の色を器に表現するガラス作家 沖田奈央さん。型を使い、窯でガラスを溶かすキルンワークという方法で形を成形し、ひとつひとつ機械で削り、形を整え、幻想的な美しさと温かみのある作品に仕上げます。
都内のとある住宅街。扉が大きく開いた開放的な空間の奥に沖田さんのアトリエはあります。ガラスの道に進んだきかっけ、今の作風になるまでのこれまでを伺いました。
面白そうと進んだ美大への進学
ーーまずは、ガラス作家として、ものづくりを始めたきっかけはありますか?
きっかけは、美術大学に進もうと思ったことでしょうか。
姉が先に美術大学へ進学していて、いろいろと話を聞いているうちに「そんな面白い所があるんだ」と興味を持ち、わたしも行こうと決めたんです。今思うと、小さい頃から手を使って何かを作ることが好きだったので、無意識でしたが、ものづくりに興味があったんだと思います。
美術大学にガラスを学べるコースがあることを知り、興味を持って工芸科を受験しました。大学ではガラスに限らず、他の素材やコースに触れるカリキュラムもあり、いろいろ見ながら、最終的にガラスの道に進むことにしました。
ーー高校時代に興味を持ったガラスをそのまま続けているのは、珍しいですよね。
確かに私も、人生でこんなに続けていることは他に無いなと思います。
大学を卒業してからも、大学に教えに来ていたガラスの先生のところで研修生として定期的にお手伝いをして学び、その工房で個人の制作をしていました。
もう少しガラスに触れて、何かを作りたいと思っていたので、とてもありがたいご縁でした。
ーー吹きガラスをやろうと思わなかったんですか?
学生の頃、吹きガラスの作品を作る授業もありましたが、暑さに弱くて、体力が持ちませんでした。
それに、機敏な瞬発力と判断も求められるんです。得意な人はできるんですけど、私はアシストしたくても、うまくいかなくて。
様々なことをやってみて、窯で作るキルンワークの方が相性が良いと気付きました。
アートや人。外から受ける影響
ーー内発的なモチベーションで進んできた印象がありますが、外からはどんな影響を受けましたか?
見た景色、季節を肌で感じた気持ちを想起させた作品を作っているので、自然の風景からは特に影響を受けています。
最近だと、印象派の絵画を見るのが好きで、色使いの表現が素晴らしく感動しています。学生の時と比べて、絵画を見ることが心から楽しくなりました。
ーー吉田:確かに印象派と作品の相性がとてもいいですね。
印象派の作品と、どこかリンクするところがあるのかな?と感じることがあります。
ーー影響を受けた人はいますか?たとえば、先に美術大学に進学していたお姉さんはどうですか。
小さい頃から姉の影響を受けていたと思います。姉は自分から邁進していくタイプで、ものを魅力的に話すことがとても上手だなと思っていました。身近なところから刺激をくれる人だったかもしれません。
今はグラフィックデザイナーやイラストレーターをしています。
わたしの展示会のポスターや、アクセサリーボックスなどを作ってもらっています。
自分にできないことをその道のプロにお願いすることは大事だなと思います。
姉は、お願いしたら必ずいいものを提案してくれるので、デザインが必要になると、お願いしています。とても心強い存在です。
ーー旦那さんもガラス作家の方なのですよね。その関係性はどうですか?
そうです。彼は吹きガラスとキルンワークを両方やる作家なんです。多少ジャンルが違うので、お互いに意見を求めたら、それぞれを尊重した視点で話し合います。
尊敬できる人が近くにいるのは、勉強になる瞬間が多いです。私に足りない情報や視点をくれるので、結婚してから刺激をもらったり、考え方も徐々に変わってきた実感があります。
周りにいる方の考えや行動から、いい影響を受けています。今も昔も、色んな方に助けてもらい、機会を与えてくださり、改めて恵まれているなと感謝の気持ちでいっぱいです。
場所:WELLショールーム(作品をご覧になるお客様は、ご予約不要です)
期間:2022年7月23日(土)〜7月31日(日)
営業時間:平日12:00〜19:00
土日祝11:00〜20:00
定休日:水・木曜日(個展会期中の7月28日(木)はオープンいたします)