ダイニング空間の計画 ダイニングテーブルの寸法やレイアウトの考え方

ダイニング空間の計画 ダイニングテーブルの寸法やレイアウトの考え方

 

人が生きていくために必要な「食」を行う大切な空間であり、生活の中心を担う場所ともいえるダイニング。ダイニング空間の計画と、その中心に位置するダイニングテーブルを選ぶ際に大切なサイズについて考えていきます。

以前の記事でもテーブルサイズについて紹介しています:オーダーメイドのテーブルの選び方

 

ダイニングの様式

基本的に食事を行うための空間であるダイニングを考えるにあたって、キッチンとの関係性は大切な観点です。ダイニングとキッチンの関わりは、大きく3つのパターンに分類することができます。

オープンタイプ

公団住宅のように、ダイニングとキッチンの間に仕切りがなく、一つの空間となっているもの。一体の空間となるため、調理中に他室の人とのコミュニケーションが取りやすい。また、一体の空間であるため部屋が広く開放的に感じられるため、近年はアイランドキッチンを中心に人気を高めている。しかし、キッチンがよく見える状態となるため、整理整頓や清掃を心がける必要がある。

セミオープンタイプ

間仕切り型のキャビネットや、ハッチ付きの家具など、腰下ほどの高さで仕切られ、上部は他室と繋がっているタイプ。簡単な食事が取れるカウンターを設けたものも、近年人気が高まっているといえる。

クローズド(独立)タイプ

キッチンとダイニングの間を壁と出入り口で仕切って、キッチンを独立した部屋として区切ることができるタイプ。オープンタイプやセミオープンタイプが主流となる前は、こちらのタイプが定番とされていた。キッチンが独立しているため、匂いや音が他室に響きにくい。

  

 

以前は、生活感が強く出てしまうキッチンを区切るクローズドタイプが主流でしたが、食洗機やIHクッキングヒーターなどキッチンを綺麗に保つ手段が進むとともに、セミオープンキッチンやオープンキッチンの人気が高まっています。限られた居住空間をどのように分けるかを左右するため、これらの選択でLDKが大きく変化します。それぞれに長所と短所を踏まえ、生活者の重要とするポイントやライフスタイルに合わせた選択をする必要があります。

 

ダイニングテーブルの大きさと配置

キッチンとの関わりや繋がりが見えたら、使用人数や動線なども踏まえてダイニングテーブルが具体的にイメージできます。

食事に必要とされる広さ

以前の記事でも紹介していますが、食事の際に必要な一人当たりの最低限のスペースの目安は、幅600mm、奥行き350〜400mmとされています。そこから、対面の2人掛けであれば幅60cm奥行き80cm〜、対面4人掛けは120cm×80cm〜が最低限のテーブルサイズとして導き出され、一般的なサイズと考えられています。

しかし、これらはあくまでコンパクトなサイズの目安。使用者の体格や性格、さらには使用者同士の関係性などによっても、最適なサイズは変化していきます。

例えば、人には他人に侵入されたくない空間(パーソナルスペース)があるといわれており、その大きさや形は、民族や文化、性別などによってそれぞれに異なります。そのため、最低限の幅や奥行きで実際の使用を想定すると、コミュニケーションや空気に圧迫感が感じられる場合があるのです。

使用者同士の関係性や性格、使い方など様々に考慮して、心地よく使用できる大きさを考えていくことが大切です。

  

周囲のスペースの広さ

ダイニングテーブルのサイズを決める際には、周囲の空間の配慮は欠かせません。

ダイニングテーブルは、椅子と合わせて使うものですから、着席と離席のためのスペースが必須となります。椅子を引いて離着席するのに、最低でも600mmは必要と言われていますが、椅子のデザインによってはやはりかなり使いづらいものとなります。テーブルのサイズやレイアウトを優先したく、どうしてもそのスペースしか用意できない場合は、肘掛けのないものの選択や、小ぶりなタイプを選ぶなどの工夫も必要です。ダイニングチェアの選択や、離着席が多いかなど使い方にも合わせて考えていくのが好ましいでしょう。

通路スペースは最低でも600mmの幅が必要とされています。配膳や準備で何かを持って移動するとなると、750mm程度は必要だと考えられます。テーブルサイズやレイアウトを決めるには、生活動線への配慮は必要不可欠です。

 

 

 

多くのダイニングテーブルは、このような寸法を踏まえて一般的に必要とされたり使いやすいサイズを考え、設計されています。しかし、それが全ての人や全ての生活に必ずフィットするわけではありません。100人いれば100通りの身体を持って、100通りの生活スタイルがあります(WELLオーダーメイドへの考え方:オーダーメイドページ)。しっかりと検討することで、自分にフィットする家具を使う心地よさが実感できます。

 

 

参考文献

『インテリアコーディネーター1次試験合格教本第11版上巻』ハウジングエージェンシー出版事業部