公共空間で馴染みもあるベンチ、 家具としてダイニングで使用する際の利点
腰をかけて座るための家具として使用される椅子(椅子の歴史について:① ② ③ ④)。ソファ、イージーチェア、パーソナルチェア、リクライニングチェア、ロッキングチェア、事務用回転椅子、スツール、スタッキングチェア、フォールディングチェア、ギャンギングチェア、座椅子など、用途や形態などによって様々に分類されます。
室内・特にダイニングで使われる椅子としては、ベンチも多く用いられます。
靴を脱いで家に上がり、床座が基本スタイルであった日本の暮らしでは、家具としてのベンチはあまり馴染みが無いかもしれません。私たちの生活に馴染み深い、公共空間でのベンチを頭に浮かべながら、室内家具としてのベンチの使用について考えてみます。
ダイニングチェア・ベンチの定義
ダイニングチェアとベンチは、以下のように大まかに定義できます。
ダイニングチェア
食事をする際に使う、背もたれのある椅子。座面が高さが420mm前後のものが多い。食事と休息を兼ねたものをリビングダイニングチェアと呼ぶ場合もあり、座面高さは390mm前後のものが多い。
ベンチ
日本では一般的に、背もたれのない長椅子のこと。同時に数人が腰掛けられることが特徴的。
屋外・公共空間のベンチ
ベンチには、駅や公園などの屋外での使用の他に、教会や学校など屋内の公共空間でも使われていた背景があります。
出典
東京都現代美術館 中庭にて
ベンチで休憩する人々
2021年2月14日 筆者撮影
街中のベンチは、気軽に体を休ませることができ、街で過ごす時間を長くするきっかけになります。活動領域の広がりや街での滞在時間の延長は、健康面だけでなく、コミュニケーションの増加や、経済効果など様々な物事に二次的に影響していく大切なツールです。日本では浮浪者やテロへの対策などによって危険なものとして扱われる側面もありますが、世界では様々な効果を持つ、無くてはならないものと認識されています。
室内で使うベンチ
人が集まる場に
街中のベンチのような効果は、室内で使用する家具としても同様に考えられるのではないでしょうか。
背もたれがないベンチはダイニングチェアと比較すると、気軽に腰掛けられるものといえます。カジュアルな使用感によって、家族が気楽に集まることのできるコミュニケーションの場になるかもしれません。
写真
・MIMOSA Bench(樹種:ハードメープル 幅:1200mm)
ダイニングでのベンチ
ダイニングにおいてのベンチは、空間を圧迫することなく席数を確保できる優秀なアイテムです。感覚を詰めて使えば座れる人数も増えるため、来客時にも便利です。小さなお子様がいるご家庭では、すぐ隣に座って世話ができるのも利点と言えます。
写真
・MIMOSA Dining Table(樹種:ブラックチェリー, サイズ:W1800×D850mm)
・MIMOSA Bench(樹種:ブラックチェリー, サイズ:W1400)
・MIMOSA TV board(樹種:ブラックチェリー, サイズ:W1800)
▽納品事例を記事にまとめています
「納品事例:ブラックチェリーで揃えた、カスタムオーダーメイドの家具」
アイデア次第でさまざまに使える
ベンチは、背もたれのあるもの、テーブルとしてや収納の機能を備えたもの、座面が布製で折り畳み可能なもの、持ち運びしやすいものなど、目的や用途によって様々な形をとっています。例えば、木製のシンプルなベンチであれば、一時的な荷物置き、ディスプレイ台など、使用者の工夫次第で座る以外の用途にも活かせます。
写真
・MIMOSA DINING TABLE (樹種:ハードメープル 幅:1400mm 奥行き:800mm)
・TOPO Chair side chair・arm chair(樹種:ハードメープル 張地:ツイル ナイトブルー)
※現在ハードメープルでのTOPO Chair製作は承っておりません・TOPO Bench (樹種:ハードメープル 幅:1200mm 張地:ツイル ナイトブルー)
※現在ハードメープルでのTOPO Chair製作は承っておりません
複数人で使用でき、室内でも様々な用途・効果が見込めるベンチ。大きさやデザインによっても異なりますが、多用途ながらも、空間も圧迫しにくく軽快な使用感を持つ家具です。
参考文献
『インテリアコーディネーター1次試験合格教本第11版下巻』ハウジングエージェンシー出版事業部