「今治」の読み方 愛媛県今治市の地名の由来
「今治タオル」は上質なタオルブランドとして知られ、生活雑貨・ギフトショップなど、多くのお店見かけますが、初めて見たときは「いまじ」「いまはる」「こんじ」と読んでしまうこともあると思います。
今治は愛媛県にある市の地名で「いまばり」と読みます。今治市は、愛媛県の北東部に位置する高縄半島と芸予諸島にまたがる市です。その今治市の歴史を掘り下げていきます。
二分された伊予国の今治藩
今治市の成り立ちは、安土桃山時代の伊予国から始まります。
現在の愛媛県全域の旧国名にあたる伊予国は、 関ヶ原の戦い後に藤堂高虎と加藤嘉明により二分されました。
その後、藤堂高虎は、この地を統治する際に「これからこの地を治める」という意味を込めて「今張」を「今治」に改め、瀬戸内海に面した新領地の越智郡に今治城と城下町を築き、都市の原型を作りました。
「いまばり」の読みに統一
明治時代、市町村制の施行により陸地部の中心が今治町となります。この時の呼び方は、一定していなく「いまはり」「いまはる」「いまばる」とさまざまだったそうです。
大正になり、日吉村と合併して今治市が誕生し、「いまばり」と呼称することが市議会で議決されました。
古くから数多くの船舶が停泊していた今治港は重要港湾に指定、整備を進め、四国初の開港場となり、海上交通の要の場所として栄えてきました。
昭和以降、太平洋戦争での戦災がありながらも港を中心に商業都市として、タオル、縫製、造船などが基幹産業として、めざましい発展をとげていきました。
産地の復活を志す今治タオルプロジェクト
「今治タオルとは 愛媛県今治市のタオルの発展 戦後〜」にもあるように第二次世界大戦、バブル崩壊などによって厳しい影響を受けながらも、タオルの生産を続けてきた今治市は、2006年に「今治タオルプロジェクト」に取り組みます。
「安心・安全・高品質」を誇る今治タオルの産地復活と、世界に通用するブランドを目指し、佐藤可士和氏と共に始まりました。シンボルとなるロゴマークは、太陽や海、雲などの今治の自然をモチーフに、赤・青・白・の3色を基調にしたデザインが制定されました。
また、今治タオル公式ブランドサイトによると、赤色は、今治タオルの存在自体が、社会の注目を集め、日本を象徴する商品のひとつであるという産地の活力をイメージし、落ち着きのある青色は、今治タオルの持つ歴史と伝統を背景とした高品質・安全・信頼をシンボライズされています。柔らかで慈しみにあふれた愛情をイメージさせるピュアな白色は、誠実にものづくりを続けてきた今治タオルの無限の広がりの示唆を表現しています。
今治の自然豊かな風土から発展した今治タオルは、柔らかく滑らかな肌触りにお祝いのプレゼントに贈られ、年齢を問わず愛用されています。
参考
今治市「今治市の概要」, 2022年4月23日
今治市「今治港の歴史」, 2022年4月23日
今治タオル公式ブランド「ブランドロゴ」2022年4月24日