陶器の楽しさを知るきっかけ

陶器の楽しさを知るきっかけ

WELLにて、ダイニングテーブルの上を豊かにする器類の紹介をすることになりました。


現在ご紹介しているのは、ONEKILN / CULTIVATE(ワンキルン/カルチベイト)シリーズの器。CULTIVATE(カルチベイト)シリーズは、ONE KILNの陶芸家城戸さんの故郷鹿児島県は坊津地方の土と、熊本県の天草陶石をブレンドした温かな素材が特徴の一つですが、他にも陶芸の楽しさが伝わる点があります。


その一つが、作り方によって生まれる違いです。

 

使われている釉薬は、自然の美しさを引き立てるクリアーとホワイトですが、焼成方法によってそれぞれ異なる発色をしています。
別の文章(陶器と磁器の違いとその工程、2種類の焼成方法)で2種類の焼成方法にて紹介していますが、これらの差は酸化焼成と還元焼成という焼き方の違いによって生まれています。

 

同じクリアーの釉薬でも、酸化焼成(OF)では酸化鉄が釉薬に溶けて赤っぽい色味、不完全燃焼をする還元焼成(RF)では、粘土や釉薬の酸素が奪われて生成した酸化鉄が釉薬に溶けることで生まれる青緑色のような色味で、鉄分などが表面に噴出することによる斑点が見られます。


ホワイトの釉薬では、酸化焼成(OF)は、柔らかな白色、還元焼成(RF)では少し黄身がかった色味にクリアーと同様に斑点。焼き方によって化学反応が異なり、また別の趣が生まれているのです。

 

普段から何気なく焼き物をつかって食事をしますが、考えたことのなかったそれができるまでの工程。これをきっかけに陶磁器の楽しさと奥深さを少し知ることができ、物の見方が少し変わりそうです。

 

 

 
 

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