【作家インタビュー】
ハンドメイドレザーRHYTHMOS(リュトモス)Vol.11
※ イベントは終了いたしました
4/3(土)〜11(日)にWELLショールーム&オンラインストアで実施予定の【一緒につくるものづくり】ハンドメイドレザー RHYTHMOS(リュトモス)のポップアップイベントに際して、RHYTHMOSさんの工房をWELLディレクター村上雄一がお伺いし、代表の飯伏正一郎さんにものづくりにまつわる様々なことをお聞きしました。
つくり手のおもいや技術を知るところから、使う人それぞれのストーリーもさらに豊かに膨らんでいきます。
RHYTHMOS(リュトモス)飯伏さんの今後の取り組み
村上:
今後、リュトモスが目指していることとか、飯伏さんがやりたいことって何かありますか?
飯伏:
動物は命であることを大事にしたいんです。
革の製品を作るために動物を殺しているのではなく、お肉としてみんなが食べるために殺される。そのときの副材であるということをずっと伝えてきました。
それを具体的に踏み込んだアクションをしていきたいなと考えています。
革のトレーサビリティ
飯伏:
一つは、革ができるまでの過程を明確にすること。
みなさんの手に届く革は、僕らのようなメーカーのところに届くんですけど、ここにくる前の世界が広いんです。
まず、革という素材にする加工業者。牛から剥いだ皮を腐らせないために安定した革という素材にする必要があります。動物から剥いだ状態のものが「皮」で、それを「なめし」という作業をして「革」という素材にするお仕事があります。
別に、生の皮を扱う人たちもいます。屠畜場からタンナーさんのところまでにくる流通業者。その屠畜場の人たちの主な仕事は、食肉として解体することですが、その一つに皮を剥ぐという仕事があります。そもそも牛は、牧場で肥育されています。その肉質を決めるのは種牛で、それを売買する業者もいます。
大きくいうと、牧場、食肉の加工、皮革の加工、製品加工という流れです。
フェアトレードとかトレーサアビリティという言葉が食品業界ではなじみのあるものになってきたなと思いますが、革の業界にはそれがないんです。これに取り組まないといけないと思っています。これは、食卓に届く肉の業界にはあって、生産地とか屠畜番号とか狂牛病の検査を受けたかとか、どこの牧場で育った牛なのかなどがわかるんですね。
ただ、牛の食べない部分の4箇所、四肢、頭から脊髄、尻尾、皮は食品として屠畜場から出荷されないです。頭とか背骨とかは肉骨粉(にくこっぷん)という肥料に使われたりするので、おう必要はないと思うんですけど、革は、どれもわからない状態なんです。なので、この革はどこの牧場で育った牛かとか、全然わからないし、知られないんです。
それに問題はないとは思うんですけども、トレースできているかどうかっていう安心感や信頼感があると思っています。しかも、それが自分たちが普段食べているものであった方がいいなと思うんです。食べるところから使うところまで、責任を持っているということが見えていた方がいいよね、って。それをしたいなと思っています。
食肉業界への差別
飯伏:
二つ目は、
いまだに差別があるんです。食肉を解体する職業や革をなめす職業は、差別の対象に歴史的になっていました。身分の低い人たちがやる仕事だというような意識ですね、僕自身や周りの友人にはそんな意識はないんですけど、存在しているんです。昔からの流れで、そこの人たちとしゃべってはいけないとか、いまだにあるようです。
そこにも取り組んでいきたいです。
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(次回に続く)