WELL life style
#05 narumiyashiroさん
1. 陶芸との出会い
性別、年齢、国籍を問わず、現代に暮らす人々が共通して抱いているのは、豊かな生活を送りたいという願望だと思います。ただ、その豊かさは人それぞれの感じ方や求めている事が異なることも事実です。
100人居たら100通りの生活があります。私達から見て豊かな生活を送っていると感じている人達へのインタビューを通して、豊かな暮らしを送るためのヒントを探っていきます。
「使うたびに心潤う、美しい日用品」をコンセプトに、都内の工房にてプレートやマグカップを作られている、陶芸家の narumiyashiroさん。
陶芸と出会ったきっかけ、暮らしの道具を制作しているnarumiyashiroさんの暮らしや普段の生活についてお話を聞きました。
陶芸との出会い
ーー長谷川:ものづくりに興味を持ったきっかけ、陶芸との出会いのストーリーがありましたら伺いたいです。
私は、ずっと美術や陶芸に関わってきたとかではなくて、会社員として働いていたんです。
少しその生活に疲れてしまったタイミングで、なにか手を動かしたいなと思っていて。なんとなく陶芸いいかもって思ってやってみたのが、本当に最初のきっかけなんです。
しばらく通ったのが作家さんのアトリエで陶芸を教えてくれる場所で、作家さんの暮らしというものに触れることができました。
陶器を作るのはもちろん、革や布、木工などの陶芸以外のものづくりもされていたので、身の回りのものを全て自分たちの手で作ってしまうような方達でした。
それまでの私の生活からは想像できなかったことで、とても新鮮で、すごい素敵だなって。
“ ちゃんと目の前のものを美味しく食べる “、” 旬のお野菜を旬の時期にいただく “ とか、“ テレビをつけないで人と会話を楽しみながら食事をする ”、そういうことってすごく大切で、心が潤うことだなと思いました。
多分、陶芸ではないものづくりという別の道もあったかと思うんですけれど、たまたま陶芸に出会ったという形です。
暮らしのものを作ることを仕事にするって、いいなって思ったのがきっかけでしたね。
日常で使いやすいうつわ
ーー長谷川:そこからnarumiyashiroさんの陶芸、ものづくりが始まったのですね。narumiyashiroさんのうつわは、道具としても美しく、でも暮らしをベースに制作されている感じがとても伝わります。こういうものを作りたい、など陶芸のイメージはあったのでしょうか。
美術や陶芸に関わってきた道ではなかった故に、芸術的なものとか個性的なものは、自分の中から出てくるものはあまり無くて。
何を作ったらいいんだろう、私らしい作品ってなんだろうとかって悩んだ時もありましたが、私は元々その道ではないところから陶芸を始めたので、だからこそ出来るものを作りたいと思いました。
自分が使う時に、やっぱり日常使いできるものがいいなとか、先ほどおっしゃって下さったように、うつわという道具だけれども美しいデザインがいいなとか、
別の道から来たからこそ作れるものを作りたいと思っています。
ーー長谷川:日常使いが出来る陶器のうつわって、作家さんの陶器をまだ持ったことがない方にも、とても魅力的な言葉ですね。
そうですね、陶芸って聞くと、ちょっと敷居が高く感じてしまう時もあるかと思います。
陶器を専門で扱ってるお店に行かなきゃいけないとか、有名な産地に行かなきゃって思ったり、知識がないと普段使いするものには難しいみたいなことが、もしかしたらあるかもしれないです。
本当にこういうWELLのようなインテリアショップに置いてあったり、雑貨屋さんに置いてあったりして、陶芸に別に詳しくなくても、これなんかいいなとか、可愛いなって思って手に取ってもらえたら嬉しいので、
そういうものが目指すところではありますね。
陶芸の魅力
ーー長谷川:narumiyashiroさんは、陶芸のどういうところがお好きなんでしょうか。手を動かす作業が好き、などのポイントがあったのでしょうか。
最初、土を触った時の感触がすごい気持ちよくて。
手の感覚が気持ちいいっていうのもありますし、文章を書くとか、絵を書くとかの動作は、結構それに集中しないといけないんですけど、陶芸はこうやって手動かしながらも、ちょっと他のことを考えたり出来ることが私はすごい好きです。
それこそラジオ聞きながらとか考え事しながら、でも頭半分は制作のことに手を動かして、というのが心地よいので、作業してる時間がとても好きです。
ーー長谷川:陶芸自体、器用さも必要で難しいかと思いますが、他のこと考えながら制作するというのは手が熟練されていないとなかなか出来ない事だと思います。
そうですね、考え事も散歩しながらするといいと聞いたことがありますが、体を動かしながら、ちょっと作業しながら頭を動かすっていうのが私は合っているのかもしれないと思います。
あと、最初陶芸やった時は、全然出来なかったんですよ。
それこそ轆轤(ろくろ)とか、形を思い通りに作るっていうのはすごい難しくて、その思い通りにならないのが面白いなと思って。
窯に入れる時は、なんとなくこの色になるだろうなって思って入れても全然違う色になったりとか。
窯の中に置く場所によってちょっとした温度差で色の出方が変わったりとか、
自分の想像を超えてくるところがとても面白いです。
私が作っているけれど私だけの力ではない、想像出来ないところが、陶芸の面白さかなと思います。
最後は窯にお任せなので。
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お知らせ
場所:WELL 新宿ショールーム(作品をご覧になるお客様は、ご予約不要です)
期間:2023年12月2日(土)〜12月17日(日)
作家在廊日:12月2日(土)
営業時間:平日12:00~19:00
土日祝11:00~19:00
店休日:個展期間中のみ水曜休業
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