WELL life style
#05 narumiyashiroさん
3. 毎日使える器のつくり

性別、年齢、国籍を問わず、現代に暮らす人々が共通して抱いているのは、豊かな生活を送りたいという願望だと思います。ただ、その豊かさは人それぞれの感じ方や求めている事が異なるのも事実です。

100人居たら100通りの生活があります。私達から見て豊かな生活を送っていると感じている人達へのインタビューを通して、豊かな暮らしを送るためのヒントを探っていきます。

絶妙なカラーリング

ーー長谷川： narumiyashiroさんのうつわは、豊富なカラーリングがとても特徴的だと思いますが、どういったところからインスピレーションを得て制作されているのでしょうか。

うつわは食材がメインなので、あんまり食材を邪魔しないようなカラーにしています。

どんなものにも馴染むとか、食材がうつわに乗っているイメージがしやすいことを意識していますね。

その中での面白みとか、ありそうでない色であったり、そういうのを入れられるといいなあと思っています。

あと、私は絵を描いたりはしないんですけれど、その釉薬が持つ濃淡だったりとか、釉薬を重ね掛けした時の表情とか、そういうものがアクセントになるといいなとも思います。

ーー長谷川：個展ごとに新鮮なカラーのうつわなどがあったりして、単調でない印象があり、とても素敵だと思いました。

narumiyashiroのベーシックみたいなものが根付いてきたかと思うので、個展の時などに新しいことをするとお客さんも嬉しいだろうし、私も楽しいです。

またその時の気分で、カラーを作ってもいいのかなと今は思いますね。

なんとなく街を歩いてて、こういうWELLの壁の色とかを参考にしたり。

例えば、抽象画とかが好きでたまに美術館へ行くのですが、作品の中ではっきりこの色っていうわけではないけど、こういう雰囲気の色がいいな、と考えたりします。

言語化しにくいですが、この色っていう正解は見えてないけれど、確かにこれではないとかはあって。

それをどんどん追求していって、あ、これだったんだ、という感じで色が決まることもあります。

その時、自分が作りたい色がうつわに出ているんだろうなって思いますね。

日常に馴染むものづくり

ーー長谷川：ものづくりの際に、大切にされていることやこだわりなどをお教えいただきたいです。  

まずは使いやすいかどうか。ということを考えています。

陶器は、買っても割ってしまう可能性もあったりで、あまり使わないでしまったままになっちゃうとかはやっぱり寂しいなって思います。

それよりはどんどん使ってほしいし、少し欠けてしまったとしても ” これあの時欠けたんだよね ”って思いながら直して使ったりしていただいた方が嬉しいですね。

割れてしまったらまた新しく買おうでもいいですし、どんどん使ってほしいと思っています。

例えば、プレートにナイフとフォークの跡が付いたり、マグカップにお茶の色が染みていったりとか、そうやって器が変化していくこともまた、器が育っていく感覚で楽しんでいただけるといいなって思います。

やはりそれには使いやすさって大事だなと思うので、物として美しいことももちろん大事なんですけど、プラス使いやすい日常のうつわとして、使い勝手が良いということを大切にしています。

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